「肝臓をいたわる食事法」、7つのマスト常備食材 糖質制限で脂肪を減らしてタンパク質を摂取

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しかも血糖値スパイクは、糖尿病になってからではなく、なんと糖尿病発症の約10年前から起きているといわれています。

常備すべき「神・タンパク食品」とは?

脂肪肝改善のためにも、糖尿病予防にも、血糖値の急上昇を防ぐことが重要で、それには肝臓をいたわる食事に変えることが大切です。

主食を半分にし、加糖飲料をやめれば、食後の血糖値の急上昇が抑えられ、「血糖値スパイク」を起こさない食べ方になります。

糖質とは炭水化物から食物繊維を抜いたものになりますが、肝臓をいたわる場合は、「炭水化物=糖質」と思ってもらってかまいません。ご飯はお茶碗1膳で約150g、含まれる糖質量は53.4g。

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シュガースティックで換算すれば18本分です。食後の血糖値を急激に上げないためには、1食あたりの糖質は40g程度が望ましいので、ご飯をお茶碗半分の70gにすれば、糖質量は25g。そして、食事で減らすのは基本的に主食だけ。主食を減らした分、満足感を得るために、おかずの量は増やしても大丈夫です。

「スマート外来」では、3カ月で体重を約6kg減量していく食事プログラムを勧めていますから、最初の1カ月はまず糖質の摂取を控えて余計な脂肪を減らすことに重きを置いています。

しかし、それだけでは体は弱ってしまい、筋肉が落ちて痩せにくくなります。そのため筋肉量を減らさない、できれば増やすようにしていくのが次の段階の食事方法です。

ゆるやかな糖質制限は継続しながら、毎食タンパク質が摂れるおかずを加えます。そうするとお腹も満たされるので、空腹対策にもなります。といってもタンパク質は、一度に多量に摂っても消化吸収できませんから、毎食20g以上30g以下なるようにします。

卵1個、納豆1パック、豆腐3分の1丁、無糖ヨーグルト150gは、それぞれタンパク質量が7gなので、この中から3つ選べば、タンパク質量が21gになる計算です。

なお、タンパク質摂取のために手軽に食べられる「納豆」「豆腐」「ゆで卵」「サラダチキン」「ツナ缶」「さば缶」「チーズ」は、常備しておきたい“神セブン”です。

尾形 哲 肝臓外科医

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おがた・さとし / Satoshi Ogata

長野県佐久市立国保浅間総合病院外科部長、同院「スマート外来」担当医。医学博士。1995年神戸大学医学部医学科卒業、 2003年医学部大学院博士課程修了。パリ、ソウルの病院で多くの肝移植手術を経験したのち、2009年から日本赤十字社医療センター肝胆膵・移植外科で生体肝移植チーフを務める。さらに東京女子医科大学消化器病センター勤務を経て、2016年より長野県に移住。一般社団法人日本NASH研究所代表理事。2017年スタートの「スマート外来」は肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来。『肝臓から脂肪を落とす食事術』(KADOKAWA)は現在9刷。また、オーディブル版も発売中。

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