「肝臓をいたわる食事法」、7つのマスト常備食材 糖質制限で脂肪を減らしてタンパク質を摂取
実は、それと同じことが体の中でも起こっています。まず、細胞内のブドウ糖がいっぱいになると、ブドウ糖は肝臓でグリコーゲンという形に変えられて、肝臓と筋肉に押し込まれます。
それでもさらにブドウ糖が押し寄せてくると、ブドウ糖はインスリンの働きで中性脂肪に変換されて、肝臓に脂肪として蓄積されるのです。こうして「脂肪肝」が進んでいきます。
インスリンは別名「肥満ホルモン」と呼ばれます。インスリンの働きは、ブドウ糖を細胞の中に取り込むことですが、余ったブドウ糖を中性脂肪に変えることもまた重要な役割。わかりやすく言えば、インスリンが大量に出ると“太ってしまう”のです。
そもそもの原因が同じといえる「脂肪肝」と「糖尿病」は、とても仲良しですが、“たちの悪い悪友”と呼べる関係です。糖尿病があると脂肪肝は悪化するし、脂肪肝があると糖尿病も悪化します。脂肪肝があると、インスリンの作用が弱まって、さらに高血糖がもたらされやすくなるのです。
実際、脂肪肝の人の約半数が、境界型糖尿病(糖尿病の一歩手前の病態)や糖尿病を患っています。脂肪肝を指摘されているならば、同時に糖尿病の入り口に立っていることも知っておきたいことです。
発症の10年前から血糖値スパイクが始まる
糖尿病の怖さは、「神経障害」「眼の網膜症」「腎臓病」という3大合併症を併発したり、脳卒中や狭心症、心筋梗塞という重篤な病気の引き金になったりすることです。脳卒中も心筋梗塞も「動脈硬化」が原因で、動脈硬化によって、脳や心臓の血管は詰まりやすく、破れやすくなります。
とくに“食後の高血糖”が動脈硬化の進行を早めます。食後に急激に血糖値が上がると、インスリンが大量に分泌されて、たちまち血糖値が下がります。これを「血糖値スパイク」と呼びます。
スパイクにはトゲという意味がありますが、血糖値スパイクが起きているときの血糖値の上がり下がりをグラフにすると、まさにトゲのような急勾配になっています。
まず高血糖というだけで、血管壁はダメージを受けています。そこに血糖値スパイクという刺激で、本来は体を守る働きである活性酸素が大量に発生します。異常発生した活性酸素は正常な細胞や遺伝子も攻撃。血管をさらに深く傷つけます。
対して、血管のほうも応戦すべく修復作業を進め、その過程で、血管の壁が厚く、硬くなっていくのです。これが「動脈硬化」。血糖値スパイクが繰り返されるたびに動脈硬化が進み、ひいては脳卒中や心筋梗塞に至るリスクを高めます。
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