池上氏解説「米国vs中国が険悪」日本はどうなる? 両国の厳しい対立は日本にも大きく関係する
今、アメリカと中国の関係がここ数十年で一番険悪になっているといわれています。米中対立はアメリカのトランプ前大統領の時代に激しくなりましたが、バイデン大統領に代わってからも一向に収まる気配がありません。
「2つの大国がもめてるだけ。自分には関係ないや」と思っている人がいるかもしれませんが、それは違います。世界は「米中新冷戦」の時代に入ったともいわれています。両国の厳しい対立は日本にも大きく関係してくるのです。
そもそもこんな事態になったのはなぜでしょうか。米中の対立で、日本はどうなるのか? 『20歳の自分に教えたい現代史のきほん』(池上彰+「池上彰のニュースそうだったのか!!」スタッフ・著)より、一部を紹介します。
台湾有事で米中戦争が勃発!?
2021年1月、中国側からこんな発言が飛び出しました。「台湾独立を目指す勢力に本気で告げる。(中略)台湾独立は戦争を意味する」。
極めて稀なことですが、中国国防省の呉謙報道官が「戦争」に言及しました。台湾は独立したほうがいいのではないかと言っている人も台湾の中にはいます。しかし、もしそんなことをやろうとしたら戦争になるぞと中国が脅したわけです。
中国と台湾が戦争になったら台湾を助けに駆けつけるのはアメリカです。
①アメリカは台湾を守るために様々な武器を台湾に売ることができる。
②台湾が軍事攻撃などを受けた場合、アメリカはそれに適切に対応する。
アメリカが1979年に制定した台湾関係法という法律に、こういった内容が盛り込まれています。これは条約ではありませんが、この法律ができたことでアメリカと台湾の関係は事実上の軍事同盟になったのです。
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