「カムカム」で注目、岡山学生服がシェア7割の訳 原宿にショップ、オーディションでモデル選出

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岡山の制服産業は、明治から興り、一大製造拠点になった(写真:amadank/PIXTA)

4月の入学式シーズン、思わぬ形で学生の制服が注目を集めた。入学式に着ていく制服が新入生に届かないケースが都内で続出したのだ。

学生服といえば、NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」も、世間の関心を高めるのに一役買った。

舞台となったのは、トンボ(トンボ)をはじめ、カンコー(菅公学生服)、富士ヨット(明石スクールユニフォームカンパニー)といった学生向け制服の有名ブランドがひしめく岡山県だ。

ネット上ではヒロイン安子の義父にあたる雉真千吉が一代で築いた「雉真繊維」(架空の企業)のモデル探しも行われていた。足袋作りを祖業とし、学生服や軍服作りに手を広げていった繊維会社ということで「足袋作りから始まって学生服、軍服となるとトンボじゃないか」といった見方も流れていた。

岡山学生服作りの端緒は明治

地元ではどう受け止められているのか。岡山市在住の知人に「雉真繊維」のモデルについて聞いてみた。

「学生時代に住んでいたのは倉敷だったから、学生服はカンコーじゃのう。息子たちは岡山市だから小野藤(おのとう)。雉真のモデルは、事業の経緯からするとトンボがまず浮かぶけど、ドラマのロケーションも含めて考えると、岡山市内(野田屋町)で創業した小野藤のほうが近いんじゃないかと家内と話しとるよ」とのことだ。

岡山県の学生服シェアは全国の約7割を占め、その歴史は明治にさかのぼる。「雉真繊維」もルーツは足袋作り。それがなぜ、学生服製造の拠点となったのか。まずは、岡山県の繊維産業の歴史を岡山県のホームページなどを参考に振り返ってみよう。

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