5人超の大人数で会議やっても質が下がる2つの訳 10人以上のほうが良いという事はまずありえない

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この点は会議の構成員を決める力がある人に強く気を付けてほしい点です。成長意欲が高い人ほど、そのように意欲を削がれる状態に置かれることを嫌うだろうから。しかし人は「念のためあなたも参加して」と、安易に会議の参加者を増やしがちです。すでに多くの人数がいるなら、その人は頑張る意欲をもちにくいですし、その人が頑張ったなら他の人が頑張りを減らすでしょう。

第2に、人数を増やすと、1人当たりの発言時間が減ります。通常、会議は時間が限られています。実のある発言をするためには、各人にそれなりの発言時間が要ります。私が参加するある官庁の研究会は、参加者が40人くらいいて、時間は2時間です。込み入った内容を喋る時間はありませんし、議論の応酬はできようがありません。コンドルセ陪審定理だと、意欲や発言時間は扱われてないのですね。だから人数が多いほどよいという結果になる。

そしてコンドルセ陪審定理でさえ、人数が増えるほどメリットは増えても、メリットの増え方は減るのです。経済学の言葉でいうと、限界便益は逓減します。そして参加者を増やすにつれ、人件費はほぼ一定に増えていきます。まとめると、人数を増やすとメリットは増えても、だんだんメリットの増え方は減る。人件費は一定に増え続ける。だから人数を増やしていっても、ある点で、デメリットがメリットを上回る。

メリットとデメリットが逆転する点はどこ?

では、人数を増やすことによるメリットとデメリットが逆転する点とはどこでしょう?私なりの答えを申し上げます。1人と複数人のパフォーマンス比較では、ほぼすべての実験で、複数人のほうに軍配が上がります。そして、4人や5人から人数を増やしても、パフォーマンスはとくに上がるわけではなく、全体としては下がる傾向が強いです。

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