闘病14年、享年21歳のアイドルが遺した生きた証 小学2年から脳腫瘍と闘い続けた丸山夏鈴の人生

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<私はこれで5回、脳腫瘍の手術をしたことになります。
でも私の病気はこれで終わりじゃないです。
これからも付き合っていかなければいけません。
今回は「油断するんじゃないよっ!」っていう神様のお告げだったのかもしれません…笑
私の活動再開についてはまた改めてお知らせします!>
(かりんの夢への階段/2013年3月22日「ご報告」)

6回目の手術を経てオリジナル曲を発表

小学2年と中学2年、高校3年、そして大学1年。手術後に脳腫瘍が見つかるスパンは次第に短くなっている。そして、今度は退院から2カ月も経たない時期に新たな腫瘍が見つかった。このときの状況を母=チェリかめさんは自身のブログ(https://ameblo.jp/cheri-kame)でこうつづっている。

<実は、夏鈴ちゃん只今手術中でございます。
12日に入院して、術前検査をして、金曜夜遅く外泊許可貰い、土曜日身の回り整理して病院に戻った訳で、バタバタしていたら、報告が遅れてしまいました。
3月に手術し無事に元の生活に戻れたはずでしたが、4月下旬の検査で異変に気付き、5月の再検査でこのたびの手術の段取りに至りました。
夏鈴の頑張りを見てて、あの子になんて伝えたらよいか悩んだ日もありました。
母娘ともに納得できない事もありますが口には出さず、ただただお医者様を信じてお願いするしかありません。
最初に発病してから五度目の入院生活と六度目の手術になるわけですが、負けず嫌いの夏鈴ちゃんは、全ての手術に立ち向かい、精神的ストレスを克服して、大学生活送っています。
この11年間に多くの物を吸収して夏鈴は大人になりました。
だから、手術の説明も包み隠さず話を聞いてもらい、リスクの度合いを知った上で手術に向かいました。
今日まで、医師の技術力のお蔭で、特に言語障害や麻痺もなく、このような大変珍しい患者はあまり例を見ないでしょう。
神の手に感謝しなければですね。>
(Childish/2013年6月17日「夏鈴負けるな」)

この手術も乗り越えて20歳の誕生日を自宅で迎えることができた。そして、アイドルとしては初のオリジナル曲の制作に取りかかる。それを告知する日記では「手術は延命治療にしかすぎないと思います」と語っており、活動できる時間に限りがあることを匂わせてもいる。高校時代の最後の授業では28歳の自分を思い浮かべて夢を抱いていたが、いまは違う。

<手術が終わってからも
まだまだ病気との闘いは続くようです。
あと、私は可哀想なんかじゃないです。
普通です。
みなさんに応援して頂けて
本当に幸せ者ですっ。>
(かりんの夢への階段/2013年6月18日「6回目の手術、終わりました!」)
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