プロボクサーから弁護士になった男の爽快な人生 「学年最下位」の高校時代からの怒涛の進撃
次第に授業もサボりがちになった。7時間目から登校する日も増えていき、成績はみるみる急降下。気付けば学年最下位まで落ちていた。一度ここまで堕ちてしまうと、取り戻すにも労力がいる。教師から期待もされず、授業にもついていけない。自分の居場所すらないように感じた。それでも、「将来、プロボクサーと弁護士になる!」と周囲に宣言していた坪井さん。周りから冷ややかな目で見られ、陰口も耳に入ってきた日もあったとか。
「あるとき、担任の先生から呼び出しを受けて、親を含めて3者面談をしたことがあるんです。そこで突然、定時制高校への転校を勧められ、学校のパンフレットを渡されたんです。衝撃でした」
一方、坪井さんに理解を示す人もいた。「どうせサボるなら、コソコソしないで堂々とサボろうと思ったんです。それはどこだろうって考えたら校長室でした。校長室の扉を叩いたら、部屋に入れてくれて。それから何回か校長室で話をしましたね。今考えても、よく受け入れてくれたなって思いますよ」
校長先生は、何度となく坪井さんのフォローに回ってくれたという。学年会議で坪井さんの進級が危ぶまれたときも、校長先生は進級を後押ししてくれたと後から聞いた。
こんな日もあった。
「朝から知らない携帯番号から電話がかかってきてると思って出たら、“校長です”って。“早く学校来い”って言うんですよ。まさか校長先生からモーニングコールが来るとは思わなかったです」
校長先生とは、今でも付き合いが続いているそうだ。
学校はサボりがちでも目標は弁護士だ。高校3年生の6月頃から本格的に大学受験の勉強をスタート。法政大学法学部に一発合格した。坪井さん曰く、「偏差値57、8の学校で、特別進学校でもなかったと思います。中学生の教科書から見直して、短期集中で勉強しました」。
晴れて大学生になった坪井さんだが、坪井さんが求めるジャンル以外の授業が多く2年で中退。その後、再受験して明治大学法学部に入り直した。
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