感謝しない人が見落とす「人生の幸福感」の法則 苦労や苦難に意識を集中するほうが簡単だが…
さらに考えを進めると、ウィルは自分の子ども時代を思い出した。彼は通学のバスで、よくほかの子たちにいじめられていた。
ウィルはついに理解すると、大きく息をした。「車を持っていて本当によかった」という気持ちが、彼の表情から伝わってきた。
車を持っているのはとてもありがたいことだ。ただ車があるだけでなく、家族の生活も向上させることができる。
ウィルのバイブスの状態は一変した。その変化は、表情や身ぶり手ぶりからも見ることができる。
感謝すべきものを探し、それに意識を集中する
感謝の練習をするときは、感謝しようとしている対象が存在しない人生を想像してみよう。
何らかの強い感情がわきあがるはずだ。それが、感謝というパワフルな状態に入るカギになる。
人生でうまくいかないこと、思いどおりにならないことはたくさんある。
それでもきちんと探せば、うまくいっていることもたくさん見つかるはずだ。
学校の文句を言う前に、教育を受けられない人もいるということを思い出そう。
太ってしまったと嘆く前に、食べ物が手に入らない人もいるということを思い出そう。
仕事の愚痴を言う前に、仕事を失ってしまった人もいるということを思い出そう。
家の掃除が面倒だと言う前に、住む家がない人もいるということを思い出そう。
食後の皿洗いが面倒だと言う前に、家に水道がきていない人もいるということを思い出そう。
スマートフォンを見ながらSNSで起こっているあれこれの文句を言う前に、自分がいかに恵まれているかを思い出し、1分でもいいので感謝の心を持つようにしよう。
私の経験も紹介しよう。
ある会社で働いていたとき、考え方の合わない上司がいた。上司も私も、そのせいでかなり働きにくい状態だった。しかし、彼は上司なので、最終的には上司の言い分が通ることになる。
その状態が何カ月も続き、私は上司の行動から影響を受けて感情を乱していた。そして感情が乱れると、それは行動にも影響する。上司に対して嫌悪感で反応し、上司の愚痴を言った。仕事に行くたびに、ネガティブな思考と感情を宇宙に向かって放出していた。その結果、事態はさらに悪くなっていった――もう最悪の状態だ!
私は上司に近づきたくなかった。しかし、彼の席は私のすぐ隣だ。それに、たとえ近くにいないときでも、彼はいちいち私を怒らせるようなことをする。