しかし、これも若年層と中年層で分けてみると違う景色が見えてきます。出生動向基本調査に基づき、「1年以内に結婚したい」と「理想の相手がいたら結婚したい」という層を「結婚したい人口」と分類し、20~34歳までの若年層と35~49歳の中年層とで男女の人口差がどれくらいあるかを見てみます。
若年層は「女余り」状態
それによれば、若年層では、2000年代以降、結婚したい人口は男女逆転し、いわゆる「女余り」状態になっています。これも以前に『300万人男余りでも女性が婚活で苦労する背景』で書きましたが、単純な未婚人口比較では300万人以上も男が余っているのに、婚活の現場では女余りになってしまうことの表れでもあります。
34歳までの年齢は、男女とも婚姻数が最も多い年齢層であり、そのボリュームゾーンでは「結婚したい女性が結婚できない」現象が起きています。一方で、中年層では、圧倒的に「男余り」状態です。
つまり、年代別結婚したい人口の推移から見ると、「結婚できない男」と「結婚しない女」という単純な構造ではなく、「結婚できない若い女」と「結婚できない中年男」という構造が見えてきます。
続いて、これら年代別の「結婚したい人口」が、その後の5年間でどれだけ初婚をしたかという「結婚希望達成率」を算出します。初婚数は5歳階級別の初婚数を人口動態調査より当てはめています。
これによれば、中年男女は、達成率そのものは低いですが、結婚したいという希望者に対する達成率は、男女とも若干下降基調であるものの1990年以降それほど変わりません。
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