北朝鮮の「ミサイル発射」と「株価」の奥深い関係 投資家は地政学リスクに敏感に反応している
今年に入って、北朝鮮が過去にない頻度でミサイル発射実験を行っています。年初から3月末までの3カ月間でミサイルが発射されたのは、すでに10日。このペースでの発射が続けば、これまで年間の発射回数が最多であった2016年の16日を大きく上回る可能性もあります。3月24日に発射された弾道ミサイルは、北海道沖の排他的経済水域(EEZ)内に落下。EEZ内で認められている漁業活動への影響や、紛争への発展が懸念されます。
ミサイルの発射と株価の関連性
北朝鮮は1月に開かれた朝鮮労働党中央委員会政治局会議で、“自主的に停止”してきた核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を再び開始することを示唆しました。今後も北朝鮮のミサイルが相次いで発射される可能性があります。
北朝鮮のミサイル発射は頻繁に行われるため、つい“またいつものことか”と鈍感になりがちです。では、投資家心理が敏感に反映される株式市場ではどうでしょうか。日本株投資を回避し、株安が引き起こされるリスクもあります。今回は、北朝鮮のミサイル発射がどのように株価と連動しているのかを調べてみました。
まず、ミサイルの発射と株価の関連性を見ていきましょう。図1は、ミサイルが発射された日の当日と翌日の日経平均株価の騰落率を平均したものです。
発射当日の平均騰落率(ミサイルが発射された当日の日経平均株価の騰落率を平均)は、2016年以降で-0.08%、2019年以降で-0.16%となっています。ミサイルが発射された日は株価が下落する傾向にあることがわかります。日本に対する投資を懸念したリスク回避の行動が背後にあり、株安となったと考えられます。
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