「発達障害」増加の裏で教師の休職続出が止まない 精神疾患の休職者は1990年から20年間で5倍に

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――教育再生会議は「ゆとり教育」を見直し、学力向上を打ち出しました。その結果、2007年には「全国学力・学習状況調査」(学力テスト)が始まりましたが、学校にはどのような影響があったのでしょうか。

学力テストは首長の教育行政が発揮される場となりました。「1位の秋田県に追いつけ」というように、自治体間で学力の順位を競うようになったのです。

こくに・よしひろ/専門は日本の戦後教育史。2018年から東京大学バリアフリー教育開発研究センター・センター長。著書に『障害児の共生教育運動』、『「みんなの学校」をつくるために―特別支援教育を問い直す』(撮影:尾形文繁)

点数が著しく低い子どもがクラスに1人いるだけで、テストの平均点は下がります。競争激化の中、東京・足立区の学校では一部の児童の答案を無断で除外したり、試験中に教師が指をさして正解を気づかせたりする不正が発覚しました。

学力テストの導入と同じ2007年に始まった特別支援教育では、発達障害のある児童・生徒を対象にするようになりました。特別支援学級に籍が移れば、学力テストの対象からは外れることになります。

多くの教師は意図的にそうした児童を外そうとしているわけではなく、その児童に「最適な場がある」という善意で、特別支援学級を勧めています。ただ、不正が起こるくらい、現場の教師たちはテストの点数を上げるプレッシャーを受けるようになったのは確かです。

――そうした状況下で特別支援学級に入る児童も増えています。その中でも、一部の発達障害が含まれる「自閉症・情緒障害」の児童は大きく増加しています。

少子化であるにもかかわらず、特別支援学級に在籍する子どもは10年で約2倍に増えています。

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