日本人が無意識に「呼吸の異常」に陥る背景事情 過度のストレスや不規則な生活がもたらす影響

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日常的に浅くて速い呼吸になっている現代人(写真:buritora/PIXTA)
実は誤解をしている人が少なくない、正しい「呼吸」と「姿勢」。不調に悩まされている場合は、この2つの要素が関係しているかもしれません。呼吸器の専門医である奥仲哲弥医師の著者『不調の9割は「呼吸」と「姿勢」でよくなる!――専門医が教える自律神経が整う「呼吸筋トレ」』より一部抜粋して紹介します。

人間には適正な栄養摂取量があり、過食が肥満を招き健康を害することがあるように、呼吸にも適正な量や質があります。

現代人はストレスや不規則な生活から、日常的に浅くて速い呼吸=「呼吸過多」になっている人が多いと言われます。

次のチェックのような症状が一つでもあれば、呼吸過多が疑われます。

「呼吸過多」危険度チェック

【症状】
□激しい運動もしていないのに、呼吸が苦しいことがある
□静かにしていても自分の呼吸音が聞こえる
□1分間の呼吸数が25回を超えている
□あくびが多い
□気づくと口で呼吸をしている
□ため息が多いと指摘されることがある

【姿勢・体動】
□口が少し開いていることが多い
□呼吸をするときに肩が上下する
□呼吸するときにお腹も胸も動かない
□呼吸するときにお腹よりも胸の動きのほうが大きい

呼吸の乱れが続くと何が起こるのか

多くの生物にとっての「呼吸」とは、酸素を取り込み、不要となった二酸化炭素を排出するのと同時に、体の細胞に酸素を届けることを指します。生き物は酸素がなければ生きられませんし、体を動かすことができません。

また、酸素は脳にとっても必要不可欠な栄養なので、酸素の供給が滞れば脳の活動は低下します。つまり、呼吸の乱れが続けば、身体的なパフォーマンスが低下するばかりでなく、脳の働きを鈍らせ、体をコントロールする中枢としての機能や思考能力を低下させることにも、つながってしまうわけです。

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