日本人が無意識に「呼吸の異常」に陥る背景事情 過度のストレスや不規則な生活がもたらす影響
呼吸や呼吸に関連する器官の働きは、その時々の体の状況や必要性を判断した、脳の中の呼吸をつかさどる神経である、「呼吸中枢」からの指令で調整されています。普通に生活している安静時に、無意識に行われる呼吸のことを「安静時呼吸」と言い、病などで息があがっているときの呼吸を「努力性呼吸」と言います。
安静時呼吸時における成人の正常呼吸は、呼吸数が1分間あたり16~20回、1回の換気量(1回の呼吸で吸ったり吐いたりする量)は400~500mLで、ほぼ規則正しいリズムをきざんでいます。医学的にこれ以外の状態は「異常呼吸」とされ、大きく以下の3つに分けられます。
「異常呼吸」の3分類
①呼吸回数の異常
無呼吸、徐呼吸のほか、比較的よく見られるのが「頻呼吸」です。1分間あたりの呼吸数が25回以上になり、1回換気量が低下します。ハァハァといった呼吸で発熱時や興奮時、不安な心理状態のときなどに見られます。
無呼吸の代表的なものは「睡眠時無呼吸」です。眠っている間に、肥満などが原因で上気道がふさがって、息ができなくなります。息が止まっているので、ハラハラしていたら、いきなり「グオォォォ~!」と、大きく息を吸うような、いびきをかくのが特徴です。
睡眠時無呼吸のなかでも、閉塞性は肥満の人や中年男性に多いと思われていますが、東アジア人はあごが小さく、もともと気道が狭い人が多いことから、女性でも起こりえます。
②呼吸の深さの異常
一番よく知られているのは「過呼吸(過換気)」でしょうか。過呼吸は、無意識に呼吸回数が増える状態で、1回の換気量は少し多くなるか、あまり変わらないという特徴があります。
「過換気症候群」は精神的な不安や緊張などを感じているときに、自分の意志とは無関係に換気量の大きな呼吸(過呼吸)を、速くたくさんしてしまう結果、引き起こされる病と言えます。
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