「思考が狭い人」「広い人」分ける頭の使い方のコツ 東大生も感動した「伝説の"論理思考"講座」中編
さて、上記の課題を踏まえると、先ほどの「ありがちな回答」の打ち手は、何をミスしていたのでしょうか。
結論としては、「打ち手の中で、上記の課題を解決する方法にも言及する必要があった」という点に注意が必要です。
結局のところ、「高品質・高付加価値な商品」という方向性で打ち手を構築しても、「品質の違いを消費者に理解してもらう難度が高い」ことに変わりはなく、「消費者に理解してもらえなければ、売上向上にはつながらない」ことになります。
以上のように、「重要な課題」というのは、打ち手の中で、何かしらの対応が必要になることが少なくない点に注意が必要です。
「フローに沿って、具体的にイメージする」という思考・工夫の内容は以上になります。
「思いつきやすい場面しかイメージできない」というミスを回避するためには、基本的に「何かに沿ってイメージ」することが有効です。
ただし、(フレームワークのような)汎用化・一般化された内容に沿ってイメージしても、「問い特有」の内容を洗い出すことは困難です。そのため、「問いに応じたフローを設定」して、そのフローに沿ってイメージすることが有効です。
このとき、1種類のフローをイメージするだけでは、洗い出せる切り口・特徴が限定的になってしまいます。そのため、複数パターンのフローをイメージすることも重要です。
たとえば、今回の問いの場合、先ほどの検討例以外にも、以下のようなフローが候補として想定されます。
・第1子⇒第2子⇒…⇒1人目の孫⇒⇒2人目の孫⇒…
そのため、どんな種類のフローがあるのかを、まずは洗い出してみることが重要です。
ちなみに、フローのパターンを洗い出すときは、すでにイメージしたフローを基準として、「より短期は?」or「より長期は?」といった視点から、別のフローを洗い出していくことも有効です。たとえば、「購入~利用」のフローをすでにイメージしていた場合、「より長期のフローは?」と意識して、「赤ちゃんができてから粉ミルクを飲まなくなるまで」のフローを設定するという流れになります。
工夫2:さまざまな主体の立場をイメージする
さて、想像力を発揮して「具体的にイメージ」するとき、イメージする立場が、「自分が詳しい主体」だけに偏りやすいです。たとえば、直前の「粉ミルク」のケース問題の解説では、いずれも「消費者」の立場のフローばかりをイメージしていました。
しかし、他にもさまざまな主体が問いに関与しているはずです(以下、粉ミルクの問いの場合の例を記載します)。
・「初めて利用する粉ミルクを薦める可能性がある主体」という視点で見ると、「祖父母」や「病院(※退院時に病院が使っていた粉ミルクをもらう)」といった主体が想定される
重要な課題の見落としを防ぐためには、上記のような「問いに関与している主体」の立場を、ひととおり理解(具体的にイメージ)しておくことが重要です。
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