「思考が狭い人」「広い人」分ける頭の使い方のコツ 東大生も感動した「伝説の"論理思考"講座」中編
以上のように、フレームワークでは、洗い出せる主体の範囲に限界がある点に注意が必要です。
より広く主体を洗い出すためには、「(消費者などの)イメージしやすい主体のフローのイメージ結果から、主体を抽出する」という方法が有効になります。以下、この「イメージしたフローから主体を抽出する」という検討の例を示しておきます。
【例2】粉ミルクの問いにおける「病院」の主体の抽出:「赤ちゃんができてから成長するまで」のフローの中の「出産に際する入院・退院」の場面で登場している(この場面から抽出する)
以上のように、切り口や特徴だけでなく、「主体」自体も、「想像力」を働かせて具体的にイメージした結果から洗い出していくことが重要です。
想像力と論理力の両方を駆使し、視野の狭い検討を防ぐ
以上のように、「何(フロー、主体)に対して想像力を発揮するのかについて、論理的に整理する」というのが、最初に述べた「論理力で想像力を補佐する」という思考・工夫の例になります。
このように、論理力と想像力の両方を駆使しながら検討を進めることで、狭い検討に終わることを防ぐことが重要です。
ところで、「思考を広げる」うえで、「論理力によって想像力を補佐する」ための工夫は、上記の2種類以外にも存在します。そのため、上記の2種類以外の工夫について、ここで簡単に概要を解説しておきます。
加えて、「日常生活の中で知識を蓄積する」ことも重要です。
そもそも、具体的にイメージするためには、すでに知っている知識を活用せざるをえません。しかし、知識の蓄積方法が、「問いを解いている本番中」や「読書などの能動的な勉強中」だけでは、蓄積できる知識の量に限界があります。そのため、「日常生活の出来事から、うまく知識を蓄積していく」という習慣を身につけることも重要になります。
ただし、単に知識や経験を増やしても、本番の問いを解くときに活用できない知識になりやすいです(すでに指摘した「言われてみれば知っていたが、自力で思い出せなかった」という知識になりやすいです)。そのため、「本番の問いを解くときに活用しやすい形で、知識を蓄積する」ことも重要になります。
ところで、本記事(中編)のように「思考を広げて、さまざまな視点・切り口を洗い出す」ことは、「視野が狭い回答の防止(本記事のテーマ)」だけでなく、「考えが浅い回答の防止」にもつながります。
次回の記事では、この点も踏まえながら、「考えが浅い回答の防止(思考を深める)」のための工夫について、解説していきます。
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