「思考が狭い人」「広い人」分ける頭の使い方のコツ 東大生も感動した「伝説の"論理思考"講座」中編

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まず、「想像力」を発揮するときは、何かしらの「フロー」に沿って具体的にイメージすることが有効です。

工夫1:「フロー」に沿って、具体的にイメージする

実は、この工夫は、第1回の記事の「携帯電話の台数推定」の問いを解くときに、すでに活用していました。

方法の例1:「これまでの人生経験」というフローをイメージ
方法の例2:「手元の携帯電話の前後」というフローをイメージ
方法の例3:「携帯電話の一生」というフローをイメージ

上記の例のように、「何かしらのフローを設定」して、そのフローに沿ってイメージすることで、「想像力を発揮する場面が場当たり的になる」というミスを回避しやすくなっている点がポイントです。

そのため、ここでは、この「フローに沿ってイメージする」という工夫の詳細を確認していきましょう(今回は、第1回の記事よりも、もう少し本格的なケース問題を利用します)。

問い:とある大手乳製品メーカーA社が、乳幼児用の粉ミルク事業の売上を向上させるには?

以下、「子育ての経験がない」方が回答する場合を想定しながら、解説していきます。

1.よく見られる「ありがちな回答」は?

さて、このケース問題を出題したとき、以下のような回答(打ち手)を、よく見かけます。

回答例:高品質・高付加価値かつ高価格帯のプレミアム商品を強化する
打ち手の背景:少子化で子供の数は減っている。しかし、子ども1人当たりにかける金額が増えている。そのため、単価を上げやすい状況・トレンドであると言える。

しかし、上記の打ち手は、重要な課題を見落としています(重要な視点・切り口を検討できていません)。さて、何を見落としているか、気がつけたでしょうか。

2.検討例:「購入~消費」のフローをイメージしてみる

最初に結論を述べておきます。見落としている重要な課題とは、「粉ミルクは、初回に利用される商品に選ばれるための仕組みが重要である」という課題になります。

以下、この課題を洗い出すための検討の例を、見ていきましょう。

さて、ここで粉ミルクの「購入~消費」のフローをイメージしてみてください。たとえば、以下のような流れになるかと思います。

・事前に口コミを集めておく(★)
・お店に商品を買いに行く
・棚の各商品を比較検討する
・店員さんに質問する(★)
・購入商品を決定・購買する
・家に帰って使ってみる
・良さそうであれば、また同じものを買う(★)
※注意:いきなり、上記のフローの項目をすべて洗い出せる必要はありません。まずは、洗い出せる項目だけを洗い出して、「その前後や間に入る項目はないか?」を考えてみてください(特に「★」がついている3つの項目は、最初からいきなり洗い出すのは難しいと思われます)。
次ページフローの各ステップを、詳細にイメージする
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