吉野家、「牛すき鍋膳」のヒットに潜む死角 第3四半期は営業利益4倍増と絶好調

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2015年1月、2月も客数が前年を割り込むトレンドは続くとみられる。ただ、値上げによる客単価アップで前年並みの既存店売上高を維持できれば、会社側が公表している今年度の通期計画、売上高1750億円(前期比0.9%増)、営業利益33億円(同51.4%増)は十分に達成できそうだ。

鍋依存からの脱却が課題

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吉野家は鍋依存の現状から脱却できるか(撮影:尾形文繁)

では、この先も吉野家に死角はないのか。鍋メニューの投入で既存店は息を吹き返したわけが、別の見方をすれば「鍋に依存する企業体質になりつつある」のも事実だ。

実際、鍋メニューを販売していない夏場は、昨年度、今年度ともに既存店売上高は前年比でマイナスになる月があった。鍋に次ぐ目玉商品を夏場にも導入できるかが、今後の課題の1つといえる。

鍋メニュー自体の刷新も、2015年度に向けて重要な課題となる。現在の消費者は飽きが早いため、代わり映えのない商品を出し続ければ、遠くないうちに陳腐化するのは目に見えている。

現在販売している鍋メニューの開発は、吉野家の前社長である安部修仁氏の負うところが大きかった。昨年9月に就任した河村泰貴社長がどんな策に打って出るかが、吉野家の行く末を占ううえで最大の注目点になりそうだ。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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