2021年の住宅業界は、ウッドショック(木材の世界的な供給不足と価格高騰)に見舞われた一方、日本の林業の脆弱性も浮き彫りになった。22年以降、木をめぐる動きはどうなるのか。
──住友林業の住宅事業は米国が稼ぎ頭ですが、22年以降も住宅需要は続きますか。また、木材価格はどうなりますか。
木材高騰の震源地である米国では、コロナ禍で在宅勤務が普及し、中古住宅の流通在庫が激減して新築住宅のニーズが瞬く間に高まった。米国は人口も増えていて、中でもZ世代の25~34歳、ミレニアル世代の35~44歳の比率がいちばん大きく、彼らが住宅購買層になってくる。現状でも約400万戸の供給が不足している。住宅着工数の好調な状況が続くと、コロナ前の木材価格には戻らないのではないか。
中国は建築だけでなく土木でもかなり木材を使うため、価格高騰に大きな影響を与えている。木材以外に銅や鉄骨、原油を材料とする接着剤も高騰している。コロナ収束後に経済が本格的に復活してくると、人件費や労務費のアップも深刻化すると思う。
──日本は豊かな森林資源があるにもかかわらず、木材高騰に対処できていません。
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