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日本の脆弱な「木材安全保障」が浮き彫りに インタビュー/住友林業 社長 光吉敏郎

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みつよし・としろう 1962年生まれ。佐賀県出身。85年に早稲田大学教育学部を卒業し、住友林業入社。2018年取締役専務執行役員住宅・建築事業本部長などを経て、20年4月から現職(撮影:今井康一)

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2021年の住宅業界は、ウッドショック(木材の世界的な供給不足と価格高騰)に見舞われた一方、日本の林業の脆弱性も浮き彫りになった。22年以降、木をめぐる動きはどうなるのか。

──住友林業の住宅事業は米国が稼ぎ頭ですが、22年以降も住宅需要は続きますか。また、木材価格はどうなりますか。

木材高騰の震源地である米国では、コロナ禍で在宅勤務が普及し、中古住宅の流通在庫が激減して新築住宅のニーズが瞬く間に高まった。米国は人口も増えていて、中でもZ世代の25~34歳、ミレニアル世代の35~44歳の比率がいちばん大きく、彼らが住宅購買層になってくる。現状でも約400万戸の供給が不足している。住宅着工数の好調な状況が続くと、コロナ前の木材価格には戻らないのではないか。

中国は建築だけでなく土木でもかなり木材を使うため、価格高騰に大きな影響を与えている。木材以外に銅や鉄骨、原油を材料とする接着剤も高騰している。コロナ収束後に経済が本格的に復活してくると、人件費や労務費のアップも深刻化すると思う。

──日本は豊かな森林資源があるにもかかわらず、木材高騰に対処できていません。

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