食品業界は2021年、原材料高の大波に見舞われた。デフレ続きの日本で値上げは定着するのか。
──原材料高を受けて、値上げする食品メーカーが相次いでいます。
カカオ豆や砂糖など主原材料の高騰はさほどではないが、油脂の高騰でマーガリンを値上げした。問題はこの先だ。基本的に日本の食品市場の需要は強くない。20年はコロナ禍で巣ごもり需要が生まれたが、反動減が起きている。
食品メーカーは付加価値で競争したいが、店頭でのインパクトで価格に勝るものはない。食品業界は長年デフレに苦しめられ、原材料費を卸値に転嫁しても、店頭価格が崩れ、収益性が悪化する。値上げが販売数量の減少につながることもある。値上げされた価格がどの程度定着するかが重要だ。
──明治HDはさらなる値上げに踏み切らないのですか。
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