リニア新幹線の静岡工区はいまだに工事が始まらない（撮影：尾形文繁）
JR東海が進めているリニア中央新幹線の工事が暗礁に乗り上げている。東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知の各工区では工事が始まっているが、静岡県の北端を11キロメートル通過するだけの静岡工区がいまだに本格着工できていない。当初目標としていた品川─名古屋間の2027年開業は実現不可能になった。
リニアのルートは品川と名古屋を一直線で結ぶ現行ルートのほかに、南アルプスを迂回し、甲府付近から木曽谷を経て名古屋に行くAルート、伊那谷を通って名古屋に行くBルートの案があった。南アルプスを貫く現行ルートは所要時間が短く建設コストが安い。反面、難易度が高いとされていたが、地形・地質調査の結果、国とJR東海が建設可能と判断した。
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