これで「値段表示のないバー」でも失敗しない やたら高い「チャージ料」は払わなくていい?
「週末にお酒を飲むのが何よりの楽しみ」という東京都内の会社員Nさん(30代男性)が、「値段表示のないバー」で痛い目に遭った。気持ちよく飲んで、いざ会計という段になったとき、予想よりもはるかに高い料金を請求されたのだ。
ある週末の深夜、Nさんは友人と一緒に、自宅近くにあるバーに入った。初めての店。メニューは置いてなかったが、カジュアルな雰囲気の「若者向け」の店で、そんなに高い料金をとるようには見えなかった。ところが、1時間でカクテルを2杯ずつ飲んだだけなのに、請求は2人で1万2000円だった。
値段がわからないと契約は成立していない?
「せいぜい6000円だろう」と想像していたNさんが、店員に内訳を聞くと、「チャージ料や深夜料金がかかる」と説明された。結局、言われたとおり支払ったNさんだが、事前に何の説明もなかったため、釈然としない思いが残ったという。
値段がわからないバーで酒を注文したら、会計の金額に納得できなくても、支払うしかないのだろうか。値段を聞かずに頼んだら、「いくらでもOK」ということになってしまうのだろうか。消費者問題にくわしい足立敬太弁護士に聞いた。
「飲食店で『食べ物や飲み物の提供を受けて、対価を支払う』ことは、『契約』の一形態と考えられます。契約ですから、サービスや飲食物の内容、それぞれの値段などについて、双方に合意がなければ成立しません。
合意のない部分については、契約が成立していないので、代金を支払う必要はない、というのが原則になります」
足立弁護士はこのように述べる。では、料理や飲み物の値段が表示されていない場合、料金を払わなくてもよいということだろうか?