法人税減税、実をとった財務省と総務省

法人税改革決着の舞台裏を検証する

来年度の税制改正大綱では、結論から言うと、代替財源として、法人事業税での外形標準課税の適用拡大(6600億円)、欠損金繰越控除の見直し(4000億円)、租税特別措置の縮小(1800億円)、受取配当等益金不算入の縮小(900億円)が決まった(金額は平年度ベース)。

法人実効税率が引き下げられることで企業には減税となる。他方、課税ベースの拡大の分は企業にとって増税となる。日本全体で見ると、その増減税は、平年度ベースでは同額となる(ただし、2015年度と2016年度は国の法人税では2100億円ほど減税が先行する)。

課税ベースの拡大で財源を確保

当然ながら、個々の企業によって、増減税の影響は異なる。概していえば、過去に被った赤字(欠損金)の影響から脱して今や利益を多く上げている企業は、減税の恩恵を多く受けられる。他方、税法上依然として赤字のままの企業で人件費を多く費やしている企業は増税となる可能性がある。

ちなみに、今回決まった税制改正大綱では、法人税改革の影響の大半は、資本金が1億円超の大企業に及ぶ。資本金が1億円以下の中小企業のうち、税法上の法人所得が800万円を超える企業では、法人実効税率の引き下げのみが及び、減税となる。資本金が1億円以下の中小企業のうち、税法上の法人所得が800万円以下で、出資する子会社もないような企業は、よい影響も悪い影響もほとんどない。

というのも、前述の課税ベース拡大の具体策で挙げた最大の項目である外形標準課税の適用拡大は、資本金が1億円超の大企業のみが対象である。さらに、資本金が1億円以下の中小企業は、税法上の800万円以下の法人所得に対して、国の法人税率はすでに15%にまで下げられており、これがこの度継続することとなったこともある。

では、どうしてこのような決着となったのか。中小企業にも幅広く法人実効税率の引き下げの恩恵が及ぶようにするには、すでに15%にまで下げられている法人税率をさらに下げることでもしなければならない。

しかし、日本で法人実効税率が他国より高いのは、大企業に適用されている税率が高いからである。そうなると、税率の引き下げの焦点は大企業に適用されている税率が主となる。

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