「生き残る配信事業者は3つ。そこに入りたい」 U-NEXT 堤天心社長

印刷
A
A
U-NEXTの堤天心社長は「3~5月で動画配信サービスを楽しむことが選択肢の中に入った人が増えた」と主張する(撮影:今 祥雄)

特集「アフターコロナの岐路」の他の記事を読む

新型コロナウイルスの影響による、「巣ごもり需要」で大きく伸びたとされる動画配信サービス。新しく配信サービスに触れた人も多くおり、新型コロナを追い風に変えた業種の1つだ。
しかし、市場環境に目を向ければ、存在感を増すネットフリックスや米ディズニー、Appleの参入など競争が激化している。
USEN-NEXT HOLDINGS傘下で、定額見放題の作品数が多く電子書籍などとの連携も行うU-NEXTは、こうした市場環境でどう生き残りを図るのか。新型コロナを機に見えてきた新しい商機はあるのか。同社の堤天心社長に現状と今後の展望を聞いた。

料金は法外にに高いわけではない

──新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要は追い風となりましたか。

外出自粛ということで家にいる時間が増え、市場全体が一気に伸びたのは間違いない。U-NEXTでも4、5月は、トラフィックや新規の会員数は過去最高だった。普段では見ないような作品まで、この自粛期間中に見るような視聴行動があった印象がある。

6月はコロナ以前と同じ水準とまでは言わないが、平準化してきているのは事実。もちろん、自粛中だけ楽しんで、「いったん休止しましょう」というユーザーも一定数いる。ただ、この3~5月で動画配信サービスを楽しむことが選択肢の中に入った人が増えたはずだ。

──U-NEXTは月額1990円(税抜き)と、ネットフリックスの月額800円(税抜き、ベーシックプラン)やAmazonプライムの月額500円(税込み)に比べ、強気の設定です。

オンデマンドの世界では少し高めに見えるが、WOWOW(月額2300円、税抜き)やスカパー!(基本プランは月額3600円、税抜き)など有料放送サービスの世界から見ると、むしろ安い。もちろん、U-NEXTの1990円も安くはないが、映画館で映画を楽しむのに1900円程度かかることも考えれば、法外に高いとも思っていない。

価格は非常に難しいテーマだ。コンテンツはほかの商材と異なり、代替商品があるわけではない。何が正しい料金かは、答えがあるようでないのではないか。一方、Amazonをはじめとし、一番安い水準の他社など比較検討の中で相対的に高い・安いという判断が出てくることは認識している。そのため、今の料金を全否定するつもりもないが、この料金を金輪際「変更しない」というつもりもない。

──相対的に動画配信の中で価格が高いU-NEXTの強みは何でしょうか。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
アフターコロナの岐路
「インフラからプラットフォームに領域を広げる」
三菱UFJフィナンシャル・グループ 亀澤宏規社長
「多品種、多国籍が強みになる」
ミネベアミツミ 貝沼由久社長
「音楽は変わらない。楽しみ方は変わる」
ヤマハ 中田卓也社長
「ネット社会と付き合うリテラシーが求められる」
イー・ガーディアン 高谷康久社長
「世界をリードする技術革新力が必要だ」
東京エレクトロン 河合利樹社長
「生き残る配信事業者は3つ。そこに入りたい」
U-NEXT 堤天心社長
「コロナで『第5次産業革命』が起きる」
パソナグループ 南部靖之代表
「車の需要は多様化する。新たな収益源に挑戦していく」
ヤナセ 吉田多孝社長
「移動サービスで街を活性化させる」
Mellow 森口拓也代表
「ゲームはディズニーやネットフリックスより稼げる」
ネクソン オーウェン・マホニー社長
「ゲーム内コミュニテイはさらに広がる」
スクウェア・エニックス・ホールディングス 松田洋祐社長
「オールジャパンでワクチン開発を」
大阪大学 森下竜一教授
「科学に基づいた知見や製品を広めていく」
島津製作所 上田輝久社長
「今こそ宗教の多様性が求められている」
東大寺 狹川普文別当
「社内の“空気"が日本企業のM&Aを止めている」
GCA 渡辺章博社長
「商品数は半減、“演出"はどんどん増やす」
ゴールドウイン 渡辺貴生社長
「100円ショップでも100円にはこだわらない」
ワッツ 平岡史生社長
「在宅勤務で家計の負担は増え続ける」
CDエナジーダイレクト 山東要社長
「買収は積極的に仕掛ける」
カインズ 土屋裕雅会長
「量から質へ、自動車ビジネスは商売のやり方を変える」
旭化成 小堀秀毅社長
「中間管理職より“中間経営職"を目指せ」
経営共創基盤 冨山和彦CEO
「地球温暖化への危機感がいっそう増している」
気候変動イニシアティブ 末吉竹二郎代表
「観戦が主軸のビジネスモデルを変えていく」
新日本プロレス ハロルド・ジョージ・メイ社長
「“小粒"のサプライヤーのままでいたくない」
ジーテクト 高尾直宏社長
「リモートファクトリーの推進役に」
川崎重工業 橋本康彦社長
「ローカル重視のサプライチェーンが広がる」
NTT 澤田純社長
「危機時にこそ、投資を続ける」
リクルートホールディングス 峰岸真澄社長
「カメラに従来と違う魅力が生まれている」
キヤノン 戸倉剛常務執行役員
「生活スタイルに合わせて、鉄道ビジネスも変えていく」
JR東日本 深澤祐二社長
「損保のデジタル化が加速する」
MS&ADインシュアランスグループホールディングス 原典之グループCEO
「日本の自動車産業を刺激する。それができたら十分だ」
モネ・テクノロジーズ 宮川潤一社長
「次世代トラック開発に、遅れも焦りもない」
日野自動車 下義生社長
「適正な運賃を求めていく」
佐川急便 本村正秀社長
「私たちがデリバリー市場の存在を証明した」
Uber Eats日本代表 武藤友木子
「低単価レストランにもう一度挑戦する」
サイゼリヤ 堀埜一成社長
「起業する若い人たちの気持ちは冷えていない」
ジャフコ 豊貴伸一社長
「前の体制にはもう戻れない」
ジャパンエレベーターサービスホールディングス 石田克史会長兼CEO
「動画配信の世界でいろんなコラボをしたい」
スカパーJSATホールディングス 米倉英一社長
「科学的根拠に基づき、コロナと共存していく」
マルハン 韓裕社長
「ウェブでの顧客接点を増やしていきたい」
NTTドコモ 吉澤和弘社長
「鉄道運賃のあり方を根本的に進化させる」
JR西日本 長谷川一明社長
「自販機事業への投資こそが成長する道だ」
コカ・コーラ ボトラーズジャパンHD カリン・ドラガン社長
「在宅勤務で生まれた課題を解決する」
富士ゼロックス 玉井光一社長
「都市の構造は簡単には変わらない」
早稲田大学理工学術院 森本章倫教授
「社員に来てもらえるオフィスが必要だ」
シービーアールイー 坂口英治社長
「都会の視点で地方交通の問題は解決できない」
両備グループ 小嶋光信代表兼CEO
「加熱式で巻き返すチャンスはある」
日本たばこ産業 寺畠正道社長
「米中に続く“第三極"の強みをいよいよ発揮できる」
Zホールディングス 川邊健太郎社長
「循環型社会をグローバルに実現したい」
メルカリ 山田進太郎社長
「コロナワクチンを焦って開発しない」
塩野義製薬 手代木功社長
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内