みんな音楽を楽しみたい
──新型コロナで楽器販売に影響が出たのではないでしょうか。
楽器の種類によって異なる。電子ピアノやギターなどは世界的なステイホームの流れで音楽をやりたい人が増えて、好調に推移している。
例えば、アメリカにおける電子ピアノの受注台数は前年比で200%になる月もある。生産工場は中国や東南アジアにあり、電子ピアノやギターの生産が追いつかないほどだ。
一方で、一番落ち込んでいるのが管楽器の需要だ。管楽器は大きな音が出るので、自宅では演奏しづらい。コロナ特有の事情として、管楽器演奏時の唾液の飛沫も問題視された。
これまで演奏時にどの程度の飛沫が出るのか、データがなかった。飛沫の実験を行った結果、思った以上に飛沫が出ておらず、楽器ごとにどのような点に注意すればいいか、情報を提供できるようになった。
──電子ピアノの売り上げが好調です。音楽の需要は根強いということですか。
改めて音楽の力を再認識した。楽器や音楽は生活必需品ではない。不要不急といえば不要不急だが、逆に家にずっといるのであれば音楽を聴いて、弾いて楽しみたいという人が多かった。
これまでも「大人の音楽教室」など楽器人口を広げるための施策をやってきた。ただ、時間がなかったり、きっかけがない人も多かった。それがコロナによってテレワークが普及し、通勤時間などを音楽に充てたいという人が増えた。
──しかし、演奏技術を学ぶ場である音楽教室は休講しました。
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