ウェブ販売に注文が殺到した
──新型コロナウイルス拡大でどれくらいの影響がありましたか。
旗艦店の新宿本店と梅田本店を(外出自粛期間中の4~5月にかけて)臨時休業したため、それぞれ20%ほど売上高が落ちた。確かに痛いが、紀伊國屋書店は大まかに言えば売上高の半分が店舗で販売する小売りの店売部門、もう半分は大学や企業向けに販売する営業部門だ。
大学がオンライン授業に移行したのに伴い、学生の教科書需要が予想以上に伸びた。新しい形式の授業に学生が不安を感じて、学習の基本である教科書を読み込むことに意識が向いたのだと思う。
また、自社サイト「紀伊國屋書店ウェブストア」の4月の売り上げは前年の4倍以上で、対応がパンク状態となった。アマゾンでは出版物よりも生活必需品の配送が優先され、その分当社に殺到したのだろう。
──コロナ禍で海外店舗の出店計画に変更はないのですか。
海外事業は1月までは業績が好調で、過去最高となる10億円超の利益を見込んでいたが、店舗の休業で若干の利益が残る程度になった。こうした状況下でも5月にアラブ首長国連邦に広さ750坪のアブダビ店をオープンしたところ、欧米の出版社から「このコロナ禍でよく新しい書店を作ってくれた」と賞賛の言葉をいただいた。
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