パッティングの名手が自問する言葉とは? ストロークの迷いを絶ち切るスイッチ

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男女・シニアを問わずプロゴルファーは、パッティングの成否が最終的な生命線になる。たとえショットが良くても、最後の詰めであるパッティングが決まらなければ良いスコアにならない。

不調ならば、パターを取り替える。気分転換や暗示のようなものだと思うけれど、プロの自宅には、きっとかなりの数のパターが眠っていると思う。でも、友利は「ここ7、8年は、パターを替えていませんよ。だって、自分の打ち方が悪いだけなんですからね」と語った。

パッティングの名手の言葉とは?

パッティングの名手だったビリー・キャスパーが、面白い言葉を残している。パッティングする直前に、自分にこう言い聞かせるのだという。

「外すんなら、さっさと外せ!」

これも迷いを断ち切るスイッチだろう。最後に再びボビー・ジョーンズの言葉を引用したい。

「ゴルフのストローク(ショット)は、高純度の精神コントロールと肉体(筋肉)が、うまく溶け込むことによって成立する。もっとも肉体は日頃の鍛練、繰り返しスイングの練習をするということが行き届いていれば、とりたてて問題にすることはない。問題は精神面」なのだと力説する。

そして名言を二つ。

「ゴルフにおける力学(技術)は、わずか2割にすぎない。あとの8割を占めるのは、哲学であり、ユーモアであり、悲劇、ロマンス、メロドラマ、友情、同志愛、強情、そして会話である」「スタンスを取ってから、球の行方を心配しても遅すぎる。構えたら、もうボールを打つしかないのだ」

友利のつぶやきは、ここまで奥深いと思う。

週刊東洋経済 12/27-1/3新春合併特大号より

三田村 昌鳳 ゴルフジャーナリスト

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みたむら しょうほう

1949年生まれ。大学卒業後、『週刊アサヒゴルフ』副編集長を経て、77年にスポーツ編集プロダクション(株)S&Aプランニングを設立。日本ゴルフ協会(JGA)オフィシャルライター、日本プロゴルフ協会(JPGA)理事。逗子・法勝寺の住職も務める。

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