パッティングの名手が自問する言葉とは? ストロークの迷いを絶ち切るスイッチ

✎ 1〜 ✎ 193 ✎ 194 ✎ 195 ✎ 最新
拡大
縮小

友利勝良は、寡黙なシニアツアーの選手である。温厚で朴訥な人柄ゆえ、日本だけでなく、海外赴任した日本人にも根強いファンがいる。その彼がしみじみとつぶやいた言葉が、ずっと響いていた。

「結局、最後はパッティングですね。それをここ数年、つくづく感じます」

この言葉だけなら、至極当然のことなのだけど、友利に言われると、ふと深読みしてしまったのである。そして、そうだ、そうなんだと閃いた。

ショットでは、いろいろな手が使える

「ショットならば、ボールを自在に曲げられる。ショートゲームでも、フェースの開き加減や球筋で、転がしもロブでもいろんな引き出しが持てる。けれどパッティングでは、スライス、フックでも、ストロークは同じですからね、引き出しを駆使して使い分けることができない。ただひたすら、忠実にまっすぐストロークする。距離感、スピード、読み。それらのすべてが備わって、成否が決まるわけなんだ」と、僕が一気にしゃべった。

「でしょう!」と友利が言った。どんなベテランでも、強い選手でも、ことパッティングだけは、なかなか思うようにいかない。だから、球聖ボビー・ジョーンズは「ゴルフという不思議なゲームの中で、もう一つ別の不思議なゲーム、それがパッティングだ」と名言を残しているわけだ。

次ページパッティングが決まらないと勝てない
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT