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国鉄改革はなぜ成功したのか [特別寄稿]JR九州初代社長 石井幸孝

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JRが発足する2年前、分割民営の方向が決まった直後のことだ。国鉄で常務理事首都圏本部長の職にあった私が、民営化のお手本として目をつけたのが日本最大の私鉄、近畿日本鉄道だった。東京や大阪の私鉄は巨大都市圏が経営の基盤になっているが、近鉄は大阪、名古屋、京都といった大都会をつなぐだけでなく、山岳地帯の過疎地域にも路線を抱える。国鉄と同じ経営環境だ。

路線網に目をつけた「鉄道屋」らしい単純な発想だったが、勉強になった最大のものは、鉄道以外の多角経営の規模とその一流ブランドだった。鉄道事業の数倍の規模の多角経営をしていたのだ。近畿日本ツーリスト、近鉄百貨店、近畿車輛、そして都ホテルなどのホテル群──どの会社も鉄道の付帯事業ではなく、それぞれの業界の一流ブランドとして業界内でしのぎを削っている。これだ、と思った。

近鉄グループ内では鉄道以外の分野のステータスも高いに違いない。鉄道が上座で鉄道以外が下座ではないらしい。ローカル線は赤字でも極端な合理化に走ることはない。多角化経営で黒字を出して、それで補填する。

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