ヨーロッパの2大国であるドイツとフランス。さまざまな面でライバル同士として語られる両国は、鉄道技術においてもつねにヨーロッパをリードする存在だ。高速鉄道網の拡大や、鉄道インフラを市場へ開放し、官民問わず新規参入を認めるオープンアクセス法の施行による同業他社への対応など、変化を続ける両国の鉄道の現状を紹介する。
点在する都市を結ぶドイツの高速列車網
35.7万平方kmの国土に、約8220万人の人口を擁するドイツ。GDPではヨーロッパ第1位を誇る経済大国で、EUにおける中心的存在だ。
ドイツは人口1000万人級の大都市がない代わりに、人口数十万規模の都市が多数点在しているのが特徴だ。たとえば人口6603万人のフランスは、首都パリ都市圏の人口1216万人を筆頭に人口100万人を超える都市は7つある。ところがドイツは、首都ベルリンの337万人を筆頭に人口100万人を超える都市は4つしかない。それでいて人口はフランスより多い。いかに人口が国土全体に満遍なく広がっているかがわかる。
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