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切り離された路線の「その後」 ローカル線が直面した国鉄改革

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「転換」30周年を迎える若桜線。上下分離方式を導入して経営改善を図ったが先行きは厳しい

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少子高齢化や道路整備の進展などにより、地方のJRローカル線が廃線の危機に瀕している。

ただ、JRローカル線の存廃問題は、今に始まったことではない。

1980年、経営が極度に悪化した国鉄の再建を図るために日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国鉄再建法)が制定され、同法に基づき国鉄ローカル線の大規模な整理が行われている。まず、77~79年度の3年間を「基準期間」とし、この期間中の平均通過人員(輸送密度)が1日4000人未満の路線を原則として「特定地方交通線」に指定。各線ごとに対策協議会を設置し、鉄道を廃止してバスに転換するか、あるいは地元出資の第三セクターなどが鉄道を引き継ぐかの二者択一を沿線自治体に迫った。

日本鉄道建設公団が各地で建設中だった国鉄新線も、輸送密度が4000人未満と想定された路線は工事を原則凍結。第三セクターなどが完成後の経営を引き受ける場合に限り、工事を再開するものとした。

雪中の山間地を進む3両編成の通学列車

こうして81年の第1次、84年の第2次、86~87年の第3次に分け、83線の計3157.2kmが特定地方交通線に指定された。83年には、白糠線(北海道)のバス転換を皮切りに各路線の整理が始動。90年までに38線1310.7kmが第三セクターなどに引き継がれ、残り45線1864.5kmはバスに変わった。このほか、国鉄新線の工事線のうち15線508.1kmも、2002年までに第三セクター鉄道として開業している。

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