NPO詣でにいそしむ村上元代表の心中とは
もの言うファンドで一世を風靡し、控訴中の身にある村上世彰元代表が、非営利組織の理事に就任した。
(週刊東洋経済2月16日号より)
村上ファンドの村上世彰元代表が昨年12月26日付で、NPO(民間の非営利組織)に寄付する中間支援団体「チャリティ・プラットフォーム」(チャリ・プラ)の理事に就任していたことが明らかになった。
昨年5月に設立された同団体は、六本木ヒルズからはやや離れた東京・南青山に事務所を移転。2月4日18時から内輪だけのパーティを開いた。村上元代表は招待客に何度も頭を下げていた。
村上元代表は昨年7月、ライブドアを巻き込んだインサイダー取引の罪で実刑2年・追徴金約11.5億円の有罪判決を東京地裁で受けた。即日控訴して計7億円の保証金を支払い、今は保釈の身だ。
チャリ・プラの理事長に就任したのは、インターンシップのNPO団体を主宰する佐藤大吾氏。関係者によれば、理事就任に先立ち、村上元代表は2006年末ごろからさまざまなNPO関係者と接触。その数はすでに100人以上に上るという。
「本人は『裁判のためにやっていると思われたくないから、表に出ることは一切したくない。一寄付者として扱ってほしい』と。『ただの寄付者ではなく、この活動にしっかりと軸足を置いてほしい』と周囲から理事をお願いした」。この間の事情について、関係者はそう話す。
女性代表を質問攻め
村上元代表は昨年12月22日、埼玉・川口で開かれた勉強会にも姿を見せていた。一般公開された第1部では、最後方で目立たないようにしていたが、それが終わると女性のNPO代表をつかまえてファンド時代を彷彿とさせる質問攻めをしていたのが印象的だった。第2部の懇親会になると、前に出てきて机に座り、多くのNPO代表と相対した。
村上元代表はチャリ・プラに約20億円を拠出している。同団体の財産の大部分が村上元代表の拠出金だ。ただ、その実績は新潟県中越沖地震による被災地支援で現地NPOに寄付したぐらい。
高級官僚、ファンドマネジャーに続く第3の人生を歩み始めたかに見える村上元代表。非営利団体に巨額を拠出したとなれば、世間の印象はよくなるかもしれない。控訴趣意書が未提出のため、二審の公判期日はまだ決まっていない。
(週刊東洋経済:山田雄一郎、井下健悟)
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