「脱家電」に走る家電量販店

住宅、酒、医薬品…新たな収益源はどこに

今や家電量販店は日用品なども幅広く取り扱っている(ビックカメラの池袋本店)

「うちを家電量販店とは呼ばないでくれ」。

11月18日、携帯電話の販売代理店ITXを買収することを発表した、家電量販店中堅のノジマ。野島廣司社長は従来の家電に加え、得意の携帯電話を一層強化すると、その意気込みを語った。

ITXの株式取得金額は513億円で、負債を含めた買収金額は850億円だ。ノジマの時価総額約250億円を大きく上回る。野島社長は「成長させる自信がある」と豪語するが、ノジマにとって大きなリスクを背負ったことも間違いない。思い切った決断の裏には、家電量販店の置かれた厳しい現状がある。

3度の特需と反動減

家電小売店の市場規模は、2010年の約9兆2000億円から、13年に約7兆5000億円へ縮小。デフレや人口減に加えて追い打ちをかけたのが、3度に上る特需と反動減だ。

まず1度目は09年5月から11年3月まで実施されていた「エコポイント制度」だ。省エネ性の高いエアコンや冷蔵庫を購入すれば、ポイントが付与され、商品券と交換できた。壊れていなくても古くなった製品を「この機会に」と買い直す人も急増。エアコンの場合、設置に工事が必要だが、工事費用は価格が安定しており、採算が比較的高い。しかし、エコポイントで一気に買い替えが起こったあおりで、翌月から需要が大きく剥げ落ちた。

2度目はアナログ放送から「地上デジタル(地デジ)放送」への転換である。一部の地域を除き、アナログ放送は11年7月で終了。翌日からはテレビ番組が見られなくなってしまうため、半ば強制的にブラウン管から薄型テレビへの入れ替えが進んだ。

そして3度目が今年4月からの「消費税率8%への引き上げ」。家計にとって3%増は大きな出費で、3月末にかけ、ここでも消費の先食いが発生してしまった。商品や使用頻度によって異なるが、家電は7~10年というのが買い替えサイクルである。

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