まずは男子だ。2014年シーズンに5000万円以上の賞金を稼いだ選手は19人。賞金ランク19位が石川遼(5285万円)だ。3000万円という区切りで見るとどうだろう?答えは37人。その中の16人が外国人選手なので、3000万円以上稼いだ日本人の男子プロゴルファーは21人ということになる。ちなみに、国税庁の「平成24年所得階級別納税者」を見ると年収3000万円以上5000万円未満の納税者は約7万3000人、5000万円以上が約4万7000人という。
一般的なビジネスパーソンの年収と変わらない賞金額のプロゴルファーも多い。ちなみに賞金ランク83位1020万円までが1000万円超、101位510万円、114位314万円、125位200万円だ。トップクラスになれば富裕層だが、下位との「格差」は大きい。
今から60年あまり前の昭和20年代後半、男子の大会で「100万円ぶん取り合戦」と呼ばれたトーナメントがあった。優勝賞金は30万円。当時と今では物価がまるで違うが、この優勝賞金で家が買えたという。これは賞金としては夢がありそうだ。出場選手は「1メートルのパットにしびれた」と伝えられている。さて、今の日本男子ツアーは賞金という面で「夢」を売れていると、選手やファン、一般の人に感じられているだろうか。
続いて女子。2014年は5000万円以上が賞金ランク17位まで、3000万円だと32位までになる。ただし、こちらも11人が外国人選手で日本選手は男子と同じく21人。日本女子プロゴルフ協会の会員数は900人ほどなので、男子よりは3000万円超えの割合は多い。
工場でバイトしながら戦ったニューヒロイン
また、男子に比べて「ニューヒロイン」の誕生率は高い。今年も伊藤園レディスで優勝して話題になった前田陽子は2965万円を稼いでランク33位となり、昨年のランク123位、78万8000円からジャンプアップした。前田陽子は、ゴルフをするために、時給800円前後のダンボール工場におけるアルバイトで練習代や遠征費を稼いできた。「シンデレラストーリー」に違いないし、ゴルフ界に「夢」は確かに存在すると言えるだろう。
サラリーマンの世界で、年収が1年で40倍近く跳ね上がることはたぶんありえない。前田陽子は「一攫千金」のうち「百金」ぐらいはつかんだかもしれない。
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