【産業天気図・精密機器】オフィス需要回復、カメラも順調で業況感は「晴れ」続く。ただコンパクトカメラは競争激しく勝敗が鮮明化
レンズ交換式では、キヤノンとニコンで市場の8割弱という双璧の構図は崩れていない。「一眼レフは全地域で続伸。中国を中心としたアジア、北米が特に強い」(キヤノン)、「現地通貨ベースでは一眼レフは2ケタ成長、新製品投入効果で平均単価も上がっている」(ニコン)と、ともに好調。ソニーやパナソニックなどが積極展開するミラーレス(一眼レフからミラー部を取り去った小型のレンズ交換式カメラ)も、日本や韓国などで販売台数を増やしている。初級者層を中心に伸びは続きそうだ。
コンパクトカメラは年末商戦を前にして、すでに各社の勝敗が鮮明化している。
4月時点で年間出荷台数1200万台を計画していたオリンパスは新製品が思うように売れず、900万台へと300万台の下方修正を余儀なくされた。カシオ計算機やペンタックス(HOYA)も、今期はヒットに恵まれていない。一方でニコンは期初比50万台の上方修正(1350万台→1400万台)に沸く。
最大市場の北米を中心に売り上げが増え、ソニー、キヤノンとの差をじりじりと詰めることができた。「中級以上の製品が特に好調だ」と、ニコンの岡本恭幸・映像カンパニープレジデントは自信を見せる。キヤノンも「他社と圧倒的な差がある(生産)数量を生かし、自社生産でもコストダウンする」(田中稔三副社長)と2100万台(前年比7%増)の計画を据え置いている。
カメラ市場そのものは好調が続く見通し。だが価格競争が激化していることもあり、近々に戦線縮小せざるを得ないメーカーが出てきても不思議ではない。
(前野 裕香=東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら