パン焼き器GOPAN大人気のヒミツに迫る!《それゆけ!カナモリさん》

 つまり、コンビニやパン屋で食パンを買うのと同価格なのだ。初期費用はかかるものの、それ以降は食パンを買ったり、ごはんを炊いたりするのと同じ感覚で、ランニング費用を意識することなく、焼きたてモチモチのパンが楽しめる。

 販促(Promotion)、製品(Product)、価格(Price)と、ヒットのヒミツを検証してきたが、流通(Place)はどうだろうか。日経MJの記事に記載がある。「ブログやツイッターでも大きな話題になった。こうした消費者の反応に接したバイヤーが売れると確信し、思った以上の発注につながった」という。

 つまり、ゴパンの大人気は、消費者がプル型で話題を盛り上げたもので、その背景には優れた革新的な商品(Product)の特性があり、消費者が納得する価格(Price)があった。そして、消費者の人気、話題を見て、流通(Place)も販促に協力したり、大量の発注を決めたりしたという背景があるのだ。

 全体のマーケティングをどこまで設計し切れていたかは担当者に聞いてみないと分からないが、日経MJによると、「マーケティング本部を絡め大々的にデビューさせないと、新市場を創造できないと考えた。月1~2回リーダー会議を開き、8つのワーキンググループで生産や販促の計画を綿密に詰めた」という。

 売れる商品にはワケがある。それは、いわゆるマーケティングの4P(Product・Price・Place・Promotion)のどこか1つが優れているのではなく、相互補完的にヒット商品としてのヒミツを作り出しているのである。

《プロフィール》
金森努(かなもり・つとむ)
東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
◆この記事は、「GLOBIS.JP」に2010年12月3日に掲載された記事を、東洋経済オンラインの読者向けに再構成したものです。
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