それでは早速、ランキングを紹介しよう。まずは、トップから3位までの企業について簡単に紹介してみよう。
首位トランスダイム56億円、6位ディズニー約20億円
ランキング1位のニコラス・ハウリー氏が会長兼CEOを務めるトランスダイム・グループは、オハイオ州クリーブランドに本社を置く航空部品メーカーだ。民間・軍需向けの航空機部品を製造・販売する。
ハウリー氏は創業者の一人で、いわゆるオーナー企業。製品の約90%が自社のオリジナル商品だ。特にアフターサービスに力を入れており、現在では収入の半分以上を占める。このため、営業利益率が40%以上と、航空宇宙・防衛産業部門の何かでも突出して高い。無配企業だが、株価は堅実に上昇している。
2位は、ウィリアム・フォリー氏が会長を務めるフィデリティ・ナショナル・ファイナンシャル。フロリダ州に本社を置くタイトル保険中心の大手損害保険会社だ。タイトル保険は日本ではなじみが薄いが、米国では非常にポピュラーな保険。不動産の所有権や抵当権などの存在を明記したもので、日本でいう不動産登記簿のようなものと言える。
不動産売買は、その資料を基に契約が行われる。リーマンショックが起こった2008年度には営業赤字に転落したが、翌年度には持ち直し、その後は増収を継続している。株価も同様に2008年末を底に回復基調を維持している。
3位のリチャード・アドカーソン氏がCEOを務めるフリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールド社。同社はルイジアナ州のニューオリンズに本社を置く、世界最大級の鉱山資源会社だ。銅とレアメタルのモリブデンの発掘・生産が主力で、モリブデンの生産は世界一。住友系企業と鉱山開発を多く合弁している関係で、日本への売上高は全体の10%強と、米国の次に多い。
ただ、株価の動向は前述の2社とは若干異なる。銅鉱山の枯渇懸念や、新たに進出した石油・ガス事業への設備投資の負担などから、2011年以降、株価は低迷を続けている。2012年に「世界最悪企業賞」といわれるパブリック・アイ賞の6位に入賞してしまったことも株価低迷の一因になっているのかもしれない。インドネシアのグラスベルグ鉱山を汚染して、反対勢力を弾圧したというのが受賞の理由。ちなみに、同年の2位は東京電力だった。
以上、3社のトップが受け取った報酬額は50億円前後と突出しているが、それ以下のランキング上位陣についても軒並み世界のトップアスリート並の報酬額が並ぶ。以下、6位にウォルト・ディズニー、8位タイム・ワーナー、9位ボーイングなど、日本でも名の知れたエクセレントカンパニーのトップが名を連ねる。
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