中国人も熱狂、高倉健さんの「生きる流儀」 「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見て思う

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ちなみに、この裏では、『あなたへ』(テレビ朝日系)が放送され、14.0%(関東地区、同)を記録。合わせれば、この日、国民の3割近くが高倉健さんにくぎ付けになりました。

そして、翌日、24日(月)には、「プロフェッショナル 仕事の流儀」を再放送。筆者はこれを通常の枠(毎週月曜夜10時~)で放送されると思っていました。ところが、何と、朝の連続テレビ小説「マッサン」から直結して放送したのです。普段は「あさイチ」を放送している枠で、高い視聴率が見込める枠。この編成にはあっぱれとしか言いようがなく、NHKの高倉さんへのリスペクトが感じられました。

普段、テレビに出ない高倉さんがなぜ?

さて、2012年9月8日放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」になぜ高倉さんは出演することにしたのでしょうか。

もちろん主たる目的は、映画『あなたへ』のプロモーションだと考えられます。映画関係者から、高倉さんは、自身が主役を務める映画の興行収入を気にされていたと聞いたことがあります。通常の映画のプロモーションであれば、主演俳優がワイドショーから、バラエティから何から何まで出演する……となるのでしょうが、高倉健さんの場合はそうもいきません。映画『あなたへ』に出資していたテレビ朝日の番組には出演していましたが、それも数を絞っていました。

その中で、「プロフェッショナル 仕事の流儀」を戦略的に選んだ高倉さんはさすがだと思います。NHKは、中高年をターゲットとした映画をプロモーションするには最も効果的なメディア。しかも、情報番組やニュース番組に出るのとは少し違って特別感があります。

前出の「NHKスペシャル」がベストだったでしょうが、文化系はなかなか企画が通らない。その中で、「プロフェッショナル 仕事の流儀」はしっかり密着してくれて、しかも、2週にわたって、映画公開中の絶妙なタイミングで放送してくれる。プロモーションを考えれば、最高の番組だったと思います。「プロフェッショナル 仕事の流儀」への出演が大きな話題となったこともあって、映画『あなたへ』は興行収入23.9億円(出所:日本映画製作者連盟)を記録しました。

プロモーション戦略もありますが、それ以上に高倉さんは、この番組のテーマにも共感したのではないかと推測します。有名・無名にかかわらず、この番組で紹介される人たちは、皆、ストイック。仕事一筋。りんご一筋の木村秋則さんも、クリーニング一筋の古田武さんも、プライベートはすべて犠牲にしている感じもあります。

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