新庄BIGBOSSが相手チームを「挑発」する納得の訳 その言動は単に奇抜なものではなく示唆に富む
ただ、北山投手の起用は「オープン戦の結果」「相手にデータがない」などの理由があるとともに、「有望な若手に開幕戦の緊張感や、ホークスという強いチームと千賀投手との対戦を経験させる」という“未来への投資”のニュアンスも感じられます。
さらに推察されるのは、「上沢投手や伊藤投手を他球団とのエース対決から外す」という狙い。単に北海道でエース級の投手を登板させて「地元のファンを喜ばせる」だけでなく、「今後のローテーションでも他チームのエースを避けられるため勝利投手になりやすい」という状況を作っているように見えるのです。その意味でBIGBOSSは他チームの監督より、固定観念にとらわれず「いかに勝つか」を突き詰め、そのうえでファンサービスを考えているのかもしれません。
同様に2戦目以降の先発投手も予想不可能であるとともに、セオリーとは大きく異なる打線の組み方、選手交代、2軍選手との入れ替えなどにも、あらためて注目が集まるでしょう。
そして忘れてはいけないのは、開幕投手をインスタグラムとTwitterで発表した最大の理由。それは「最初に伝えたいのはファン」という思いによるものであり、内容に挑発的なところはあってもファンファーストの気持ちがブレないことが支持を集める理由の1つとなっています。
相手監督の顔を消す失礼な行為
BIGBOSSは開幕前日の24日にもインスタグラムを更新。ホークスの地元紙・西日本スポーツの「新主将・柳田の誓い『監督を男に』」という記事を使って、「有難う 柳田君!!流石 メディアの使い方をよくご存知で!!僕はいいから藤本監督を男にしてあげて!!」とメッセージを送りました。
しかし、よく見ると藤本監督の顔にBIGBOSS自身の顔を切り抜いた写真を貼り付けていたのです。相手チームの看板選手をイジるだけでなく、藤本博史監督の顔を消すように自分の写真を上から貼るのは、失礼に当たる行為。ましてや藤本監督はBIGBOSSより8歳も年上だけに礼儀が求められるところでしょう。
なぜBIGBOSSは失礼な行為をしてしまったのか。やはりここでも、「いかに注目を集めるか」、そして「ファンに楽しんでもらうか」を考えている気がしてなりません。BIGBOSSは昨年11月の就任会見から一貫して、「ファイターズ、ひいてはプロ野球を盛り上げよう」「明るい話題を提供して笑ってもらおう」としているだけに、今回は少し行きすぎただけなのではないでしょうか。
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