新庄BIGBOSSが相手チームを「挑発」する納得の訳 その言動は単に奇抜なものではなく示唆に富む

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ちなみにホークスの柳田悠岐選手は、この発言に「野球ってもともと遊びなので。僕も遊べるように楽しみたいなと思います」などと笑顔で返していました。このやり取りもメディアで大きく採り上げられた結果、「ホークスVSファイターズ」は昨年4位と5位の対戦であるにもかかわらず、全6試合の中で最大の注目カードになったのです。

挑発とみなされかねない言動に賛否こそありますが、プロ野球がエンターテイメントであり、ビジネスでもある以上、BIGBOSSは早くも1つ目の結果を出したと言っていいでしょう。

ただ、福岡はBIGBOSSの生まれ故郷。もともと義理堅い人柄のBIGBOSSが地元での戦いを軽視しているはずがありません。実際、BIGBOSSは選手たちに「遊び心を持ってほしい。力んでばかりだと結果が出ない。小さいころに日が暮れるまで楽しんで野球をやっていた気持ちで暴れてほしい」というメッセージを送っていました。

つまりその真意は、「遊び心を持ってほしい」という思いと、「若い選手が多いことから緊張させないように」という気づかい。BIGBOSSらしい親心である様子がうかがえますし、試合中も率先して楽しむ姿を見せるでしょう。

そして見落とされがちなのは、BIGBOSSは「勝利を目指さない」とはひと言も言っていないこと。若い選手たちを勝たせるためには、緊張させず、遊び心を持たせることが必要と考えているのです。

「ドラ8」の開幕投手をSNSで発表

開幕2日前の23日、BIGBOSSは予告通り、インスタグラムとTwitterで開幕投手を発表。「25日の福岡ソフトバンク 開幕投手は北山亘基投手で行きます!! 強い相手を全員で喰らい付き 立ち向かい 観に来てくれた皆さんに楽しんでもらうゲームをお見せします 乞うご期待!!」とコメントしました。

「さすがに北山は予想できませんでした」などのコメントが書き込まれたように、大半の監督なら、昨年2桁勝利を挙げたエース格の上沢直之投手か伊藤大海投手を選ぶでしょう。しかし、BIGBOSSが選んだのはドラフト8位入団のルーキー・北山投手。先発で投げ合う相手が球界のエース格である千賀滉大投手だけに、その落差に驚かされます。

しかも北山投手はオープン戦で最長2イニングしか投げていないため、先発ではなく「中継ぎかクローザーの候補」と見られていました。そのため、北山投手は通常の先発投手として長いイニングを投げるのか。それとも短いイニングで降板する「オープナー」なのか。対戦相手もファンも、まったくわからない状態なのです。

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