新庄剛志「部下のやる気を引き出す」掌握術の本質

破天荒なBIGBOSSの裏に正統派のマネジメント

新庄剛志さんが発する言葉で選手たちの意識が変わってきています(写真:共同通信)

日本中の注目を集めた11月4日の監督就任会見から1カ月あまり。「BIGBOSS」ことプロ野球・日本ハムファイターズの新庄剛志監督は、その後も秋期キャンプ、ファンフェスティバル、新入団選手記者発表会見、トライアウト、バラエティ出演と、さまざまな場に登場し、人々を沸かせ続けています。

たとえば今週は、12月6日に「しゃべくり007」(日本テレビ系)、9日に「アウト×デラックス」(フジテレビ系)にメインゲストとして登場。さらに、12日夜にも同じ時間帯に放送される「誰も知らない明石家さんま」(日本テレビ系)と「中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2021」(フジテレビ系)にダブル出演します。

プロ野球チームの監督とは思えない派手な活動の中で、新庄さんは単に笑いを誘っているだけでなく、さまざまな言葉や姿を発信。テレビやネットメディアは服装や笑いを誘うコメントをピックアップし、見る側もそこに目を奪われがちですが、新庄さんはチームマネジメントについてもしっかり発信し続けているのです。

しかもそれらは破天荒に見えて、実はマネジメントとしては正統派の手法も多く、掘り下げていくほど納得させられるものばかり。プロ野球界だけでなく、一般のビジネスパーソンにも参考になるものが多いので、この1カ月あまりの言動をここでピックアップしていきます。

健全なプレッシャーをかける手法

監督就任会見から4日後の11月8日、新庄さんは沖縄の秋季キャンプに登場。姿を見せてすぐ自らカメラの前に立ち、「楽しみですね。まずは選手の身体能力というか、足のスピードと肩の強さをチェックして。あとは球団の考えた流れで見ていきたい。これから3日間(沖縄に)いて、もし練習に飽きたら2日で帰ります」とコメントしました。

多くのカメラに撮られることを意識しつつ、真っ先に秋季キャンプの意図を明言したのです。これはもちろん選手側にも伝わることを意識したコメントであり、だからこそ誤解を招かないために、グラウンド入り直後に自らカメラの前に立ったのでしょう。これによって選手たちは、「何をアピールすればいいのかわからない」「どこを見られているのか」と疑心暗鬼になるのではなく、「足や肩などの身体能力をアピールするぞ」とスイッチを入れられたのです。

新庄さんは初日から精力的に動き回りました。自らバント用のピッチングマシンを調整し、外野フェンスの硬さチェック。トンボを持ってグラウンド整備し、選手には一切やらせません。さらに、これらは選手を練習に集中させるための「普通のこと」として、コーチたちにも徹底させていました。

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