カーブでは割と大きなロール(車体の傾き)を許す。路面の摩擦係数が高くて、タイヤがしっかり路面を掴めるサーキットだからロールを大きく感じたが、一般道路であれば、乗り心地がよくて快適なBEVとの評価に落ち着くだろう。なにより前述した走行性能なので取っつきやすい。
一方のFFモデルは軽快だ。車両重量は1920kgと85kg軽く、ステアリングを切り込んだ際の動きもつかみやすい。ただ、AWDモデルと同じように走らせてみると、FFモデルは後輪モーターがなく、後軸(リアサスペンション)荷重が違うこともあり、細かな上下動が目立った。サスペンション形式は駆動方式を問わず前輪がストラット方式、後輪がダブルウイッシュボーン方式だ。
AWDのみのソルテラはbZ4Xと何が違う?
続いてソルテラ(こちらはAWDモデルのみ)に試乗する。2月の大雪に見舞われ、幅2.5mの雪上コースの両脇には、ところにより2m近い雪壁が迫るなどわかりやすく閉塞的。ドライバーとしてはナーバスになる状況だ。
そんな悪条件でもソルテラは安心して走らせることができた。パワートレーンの制御方法はbZ4Xと同一だが、アクセル操作に対して過剰に反応しない走行性能が功を奏した。具体的には、一瞬の溜めというか間合いをもって駆動力が高まるため、時折、凍結路面が顔を出す滑りやすい路面でもリラックスできた。
ソルテラでブレーキングした際、車体が前のめりになるノーズダイブ現象がbZ4Xよりも少ないと感じたので、その点をソルテラの開発者に質問してみた。
「じつはbZ4Xよりもダンパーの減衰特性を強めて、前後の揺れであるピッチングを抑える設定にしました。これにより車体をフラットに保ちやすくなります」という。確かにこうした滑りやすい路面では、ソルテラのダンパー特性のほうが状況を把握しやすい。
AWD技術は、SUBARUが得意とする領域だ。2車のAWDモデルには、各車輪の駆動力や制動力を制御して走破性能を高める「X-MODE」機構が付く。X-MODEはすでにSUBARU各車に搭載されている技術だ。
さらに2車では新開発の「Grip Control」を搭載した。これは滑りやすい下り坂でドライバーがブレーキ操作をすることなく車速を一定に保てる、いわゆるヒルディセントコントロール機能の拡張版だ。
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