(第56回)採用活動の舞台がWebから大学キャンパスへと変貌の予感

●人材基準を明確化して採用力を強化

 採用はある意味で怪しい行為だ。テストや面接で1人の学生を正しく評価できるのだろうか? 「自信がある」と話す人事がいるが「絶対に間違ったことがないか?」と問われれば、失敗した採用(早期退職や見込み違い社員)の経験があるはずだ。
 失敗採用の原因は、人材要件があいまいだからだ。人材戦略が確定しておらず、第一印象で採否を決めている人事が多いのではないだろうか?
 そこで学生の質を問う採用活動の前提として、自社の人材戦略を見直す動きが広がっている。

・採用人材イメージの明確化
・自社の求める人材像の見直し
・求める人材の社内での共有化を図る(評価の高い社員の性格判断をし、共通項について求める人材の項目とする)。
・採用時評価と入社後評価が異なり、ミスマッチを起こす人がいるので、採用手法や判定基準を変更したい。

 ただ人材要件を人事が定義しても、人事だけの閉じた定義では成功採用にならない。採用にかかわる社員全体が人材要件を共通認識しておく必要がある。そこで面接官研修が必要になる。

・リクルーター教育。面接官トレーニング。
・面接官の力量アップまたは意識のすり合わせ

 いちばん問題があるのは役員面接かもしれない。最終面接を行うのは役員であることが多い。役員は企業内序列で最高位だが、多くの人は自分の過去の経験で判断する傾向がある。その判断基準は「やる気がありそう」「わが社に合いそう」「笑顔がすがすがしい」などの印象だ。そもそも社会人として未知の能力の学生を採用するのに役員が面接する国は日本だけであり、必然性のないセレモニーだ。
 しかし、人事はセレモニーの廃止を提案できないし、多忙な役員に面接官トレーニングを受けてもらうのも難しい。したがって、絶対に落としたくない優秀学生に関しては、親しい役員に根回しして、その役員が面接官になるように手配するしかないだろう。

 次回は「学生の就職活動に関する人事の意見」を紹介してみたい。「就職活動でウソをつく習慣を身につけないでほしい」という興味深い内容を書いた人事の人もいる。
HRプロ株式会社(旧社名:採用プロドットコム)
(本社:東京千代田区、代表取締役:寺澤康介)
採用担当者、教育・研修担当者をはじめとしたHR担当者のための専門サイト「プロ.com」シリーズを運営。新卒/中途採用、教育・研修、労務、人事戦略などの業務に役立つニュース、ノウハウ、サービス情報、セミナー情報を提供している。HR担当者向けのセミナーも東京・大阪で開催している。
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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。