日本企業にありがちな「3つの過剰」の大きな弊害 部分最適に陥らないための組織づくりとは
CSFを特定し、具体的なアクションに落とし込むために有効なのが、“小さく分解していく”ことです。ここで、簡単な事例を紹介しましょう。
論点を分解していく3ステップ
たとえばここに、「収益を拡大したい」と思っているA社があるとしましょう。
同社は、顧客の課題解決のために最適なタイミングで最適な商品を開発・市場投入することで世の中に価値を提供することをミッションとしています。
その結果、A社商品に対する顧客の満足度は高い状態を維持できています。しかし、さらなる商品開発の原資を獲得するために事業戦略として収益改善を目指しています。
この場合、収益を上げるためにどのような論点(重要業務)を設定したらよいでしょうか?
ここで「分解」です。一例として、次の図のように論点を分解してみましょう。
論点を分解していくステップとしては、次の3つです。
まず①Goalの確認。Goalは、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)にひも付いていることが望ましいです。この事例では、商品開発で価値提供するというミッションを実現し続けるために、収益の拡大を目指すわけです。このGoalを実現するために、何をすればよいのか事前準備で整理して、やるべき実行・カイゼン策を特定するということです。
次に②事前準備。この事例では、Goalである「収益拡大」を実現するために事業部門、本社部門、間接部門に分解し、それぞれの部門トップにミッション(業務)をアサイン(割り振り)します。彼らは自分の打ち手を検討すると同時に、組織横断でCSF(Critical Success Factor:最重要ポイント)を特定します。
そして③CSFに特定された業務のみ、さらに論点分解をして、実際に現場がどのようなタスクをするのか解像度を高めていくのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら