日本企業にありがちな「3つの過剰」の大きな弊害 部分最適に陥らないための組織づくりとは

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部署同士が対立してしまい、業績も伸び悩む……日本の企業で起こりがちな組織構造の問題です。全社的な“全体最適”な活動にするために有効な方法とは?(写真:polkadot/PIXTA)
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「私たち商品開発は頑張っているのに、営業部が悪い」「いや、開発部が悪い」――。こうした互いの不満によって部署同士が対立してしまい、業績も伸び悩んでいる企業は少なくないようです。リクルートグループの元社長で現在は経営者塾を主宰する中尾 隆一郎氏によると、日本の企業で起こりがちな組織構造の問題だと言います。
中尾氏に、部署ごとの“部分最適”ではなく全社的な“全体最適”な活動にするために有効な方法を聞きました。
※本稿は『1000人のエリートを育てた 爆伸びマネジメント』より一部抜粋・再構成してお届けします。

まず、最も弱い箇所・組織を特定する

日本の大企業には、さまざまな特徴があります。それぞれいい面、悪い面があります。しかし、明らかに悪い面があります。それは実行スピードが遅いということです。

一橋大学の名誉教授である野中郁次郎さんは、日本企業の三大疾病として3つの「過剰」を挙げています。

オーバー・アナリシス(過剰分析)
オーバー・プランニング(過剰計画)
オーバー・コンプライアンス(過剰規則)

つまり、分析をやりすぎ、計画を精密に作りすぎ、さまざまな規制を作れば、実行スピードは当然遅くなります。加えて、私の考えでは日本企業の「組織課題」と「コンセンサス病」が、これらに拍車をかけます。

組織課題とは、多数の階層からなる「ピラミッド型」組織が「サイロ化」を招いてしまっていることです。サイロ化とは、組織を超えて横方向のコミュニケーション(共有や連携)が起きにくい孤立した状態を指します。こうなると、情報が分断され、どうしても全体最適ではなく、部分最適になりがちで、他部門との調整に時間がかかるのです。

このサイロ化や部分最適は大企業だけで起きるのではありません。

さまざまな規模・業種の企業が当てはまります。

組織は、生産性を高めるために分割されます。すると分割した組織内の生産性は高まるのですが、組織間では敵対化しだすのです。「自分たちはこんなに頑張っているのに、ほかはそこまでやっていない」、ほかの部署である「営業が悪い」「商品開発が悪い」「CSのフォローが悪い」といった具合です。これって、起きるのが当たり前なのです。

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