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「ジェンダーの壁」日テレ記者が語る実体験と課題 小西美穂キャスターはどう克服しようとしたか

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  • 小西 美穂 日本テレビ 報道局DX取材部 解説委員・キャスター
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その1つに、取材先でのセクハラがある。本音を引き出すために、記者は夜回りや飲み会で取材相手に食い込んで、とにかく仲よくなる。それが重視される。しかし、若手の女性にとって、警察や検察、政治など取材相手は、ほとんどが目上の男性。当時は飲み会でのチークダンスがあったし、取材先で「ホテルに行こう」と近寄られて逃げて帰ったこともあった。

国会内の執務室でいきなりヌードグラビア雑誌を見せられたこともある。不快で、見下され、職を汚された気持ちになった。同僚に相談すると、「そんなこといちいち気にしていたら政治取材なんてできない」と突っぱねられた。相談した同僚は女性だったので、それ以上言いづらくなった。

「うまくかわしつつ、セクハラを逆手にとってネタをとってきて」

今は取材手法も見直され、こんな状況はないと信じたい。取材先でのセクハラ経験はなかったと話す女性もいて、人それぞれだと私も認識しているが、かつてはこんな時代があった。

報道の中枢部署では“マッチョ”な働き方が称賛される

妊娠、出産という女性のライフイベントも大きな壁となる。政治、経済、社会という報道の中枢部署では、「長時間労働でもバリバリ働けます」という“マッチョ”な働き方が称えられ、重宝される。そこで実績をあげた人が出世し、決定者になる。最近はずいぶん改善されてきているが、この構造が変わらなければ、壁はなくならない。同僚に実体験を聞いてみた。

Aさん(30代女性)は、数年前、ある記者クラブを担当していたとき、「妊娠してもらっては困る」と上司から言われていたという。

Bさん(30代女性)は、産休・育休明けで時短勤務をしている。「ママはいいよね。休日に出てこなくていいから」「時短のママには頼みにくい」と同僚に言われるという。時短の身ゆえ、仕方ない。そう受け止めつつも、「本人も、周りで聞いているママも、ママ予備軍も委縮する」と嘆いた。

激務でも調整できた事例もある。Cさん(40代女性)が記者クラブに入ったのは、下の子がまだ1歳のとき。重要事件が発生し、ハードな仕事となったが、同じクラブに共働きで子育て中の男性記者がいたことで救われた。子どもの用事があっても、お互いに協力して仕事の穴を埋めながら、夜の取材もこなし、チームで特ダネをスクープした。

彼女の姿は、後輩女性の励みになったに違いない。しかしそれは、男女にかかわらず、子育ての大変さをわかっている人、わかろうとする人が職場にいることが必須条件だった。制度があっても、周囲の理解と支援が得られなければ機能しない。

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