シンガポール人に聞いた「日本人の美点と弱点」 仕事をして不愉快な思いは一度もなかった
かつてアジアの盟主だった日本は、21世紀以降すっかり低迷しています。一方、日本を尻目に発展を続け、経済水準では断トツでアジア1になったのが、シンガポールです。日本とシンガポールでは何がどう違ったのでしょうか。
2月、シンガポールでヘルスケア製品販売業を経営するユーニス・テオさん(仮名、50代)にインタビューしました。
ユーニスさんは起業する前、日本の商社のシンガポール現地法人に勤務していました。また、起業後は販路開拓のために頻繁に日本に出張しており、たくさんの日本人を知っています。なお、彼女のパートナーも電気関係のビジネスを起業しており、4人の子どもがいます。
今回、ユーニスさんには「コロナがビジネスに与えた影響」や「日本経済」「日本人に抱くイメージ」などを聞いてみました。
ウィズコロナに舵を切るシンガポール
――日本のことを伺う前に、現地のコロナの状況について聞かせてください。まずユーニスさんの事業は順調ですか。
ヘルスケア製品を扱っているので、コロナで需要は旺盛です。物流網の混乱の影響はありますが、大きな問題はなく、事業は順調です。
――シンガポールでもオミクロン株が感染拡大しているようですが。
2月に感染者数が過去最多を記録し、いまも高水準が続いています。しかし政府は、隔離なしで渡航できる国・地域を大幅に拡大するなど、パンデミック後を見据えてウィズコロナに舵を切っています。
――日本では昨年暮れ以降、主要国で最も厳しい水際対策をしています。ユーニスさんのビジネスも日本の入国制限の影響を受けているわけですが、感想・意見はありますか。
日本も、アメリカ・中国など諸外国との交流によって経済が成り立っています。日本政府が国を閉ざしても問題ないと考えているとしたら、ちょっと傲慢かなと思います。日本は死者数が少ないわけですから、もっと違ったやり方をしてもいいのかなと。
――シンガポール国民は、コロナ対策に不満を感じていますか。
行動規制への不満は、そんなにありません。チキンライスの値段が高くなったという不満はよく聞きますが(笑)。シンガポールでは数年置きにデング熱の流行があり、感染症や規制に慣れているからでしょうね。最近は、デング熱の時と同じような感覚で割と普通に生活しています。
絶対の正解がないコロナ対策。世界各国が悪戦苦闘していますが、ユーニスさんの話を聞いて、コロナに立ち向かうシンガポール人のたくましさが印象的でした。
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