寸暇を惜しんででもスマホを見たい、というわけではないが、友だちが上げたストーリーを見てもいいし、片耳にイヤホンを突っ込んでユーチューブを見てもいい。この辺に座っていれば、いつも遅刻してくる友だちと合流できる。
以上を総合すると、後ろはだいたい埋まっていて、前の座席も両端は誰かが座っており、前方真ん中に空きが多い――という感じを想像するのではないだろうか。
詰め詰めで座る大学生
ただ実は、今現在の大学生はそういった座り方をしない。ポイントは学生同士の距離だ。明らかに密集して座るのである。
少し前、あるいは筆者が学生だったころは、隣を1つ空けて座るのが普通だった。隣の椅子の上にリュックを置きたいし、男同士で隣り合うと暑苦しい。1つ飛ばしくらいの距離なら、ちょっかいを出そうと思えばいつでも出せる。2、3人で並ぶこともあったが、両サイドどちらからも抜け出せなくなるような詰め方は、どうも落ち着かない。
でも今は違う。友だち同士という認識があれば、どこまでも果てしなく隣を詰めて着席していく。結果、後方は1列まるごと埋まるのも珍しくない。
教壇から見ると、ちょっと気の毒になるくらいの詰め方だ。もしかしたら、ほかの講義でそのように指示されたのかもしれない。まじめな学生たちは、それをすべての講義共通のルールと勘違いしているのかもしれない。
だから、心優しい筆者はこう言う。
この講義の座席は自由だから、好きに座っていいよ。ほら、その辺とか空いてるから余裕を持って座っていいよ。
さらに筆者の優しさは神だから、加えてこう言う。
と言っても今は動きにくいだろうから、ちょっと早いけど今から10分休憩入れます。その間に動いてもらってOKです。
~休憩中~
さて、休憩終了。座席配置はどうなっただろうか。
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