反対意見が噴出、難航する民主党の政策減税要望取りまとめ

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反対意見が噴出、難航する民主党の政策減税要望取りまとめ

政策減税である「租税特別措置」の新設・存廃に関する民主党内の議論が大詰めを迎えている。

10月29日に開かれた同党税制改正プロジェクトチーム(PT)の会合では、同PT役員会が提示した政策減税の新設・改廃案について出席議員からの反対意見が噴出。「最近の民主党の考え方は財務省寄りになっている」「今のままだと自民党への政権交代税制になりかねない」という声もあがるほどで、時間を30分延長して議論したがまとまらず、結論を来週に持ち越した。

同日のPTでは、これまでの会議と違って多数の同党議員が出席。役員会が提示した租税特別措置にかかる重点要望案について多くの意見が出された。

要望案は、歴史的使命を終えた措置や効果が薄いものは相応の決意をもって廃止・縮減する一方、新たに経済成長や雇用増に寄与する措置は果断に実施すべきだという原則を提示。ゆうちょ銀行やかんぽ生命が郵便局会社に業務委託する際にかかる消費税の非課税措置や航空機燃料税の引き下げ、新築住宅にかかる固定資産税の減税などの新設を提案する一方、自民党税制調査会のドンと言われた故・山中貞則衆院議員が創設したと言われる、肉用牛売却にかかる住民税、所得税、法人税への減税措置や産業活力特別措置法に基づく登録免許税など、12項目の廃止を提案した。

特定非営利活動法人にかかる税制上の特例措置やたばこ税、酒税のあり方などは11月末までに議論することとし、国際連帯税は「来年度税制改正で措置すべき事項とは言えない」とし、来年度税制改正に盛り込むことを断念した。

この日の議論では、「この政権はマニフェストの目玉を引っ込めた時点で終わる。目玉の一つは戸別所得補償で、今回(要望案で)挙げられたものは戸別所得補償の推進に反するものばかり」、「地域の経済を支えるのは地域の中小の住宅業者だ。それを支えるのに(住宅の改修工事をした場合の所得税額の特別控除を)廃止するのはいかがか」、「いま一番大きい関心は経済と雇用。中小企業(対策)を前面に打ち出して欲しい」などという意見が相次いだ。

山田 徹也 東洋経済 記者

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やまだ てつや / Tetsuya Yamada

島根県出身。毎日新聞社長野支局を経て、東洋経済新報社入社。『金融ビジネス』『週刊東洋経済』各編集部などを経て、2019年1月から東洋経済オンライン編集部に所属。趣味はテニスとスキー、ミステリー、韓国映画、将棋。

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