「あまりの面白さに2日間で読み終えた。その後、『リーンキャンバス(※)』の後継として『ZERO to ONEキャンバス』を自分で考案し、著者のブレイク・マスターズ氏に『ZERO to ONEキャンバスを作った!』と送った。すると、なんと『公式に採用していいか』といった返事をもらった。いつかスタンフォード大学で授業に使われるかもしれない」と石山氏は、楽しげに話す(※リーンキャンバスとは、事業に必要な9つの事項を1枚のシートに記載し、ビジネスモデルの分析・検証をするツールのこと。リーンスタートアップを実践するために使う)。
それも、石山氏は当初、リクルート社員という身分を明かさず、ツイッターでマスターズ氏に連絡したら、採用したいと返ってきたというから驚きだ。
「ここが“オープンイノベーション”の面白いところだ」と石山氏。オープンイノベーションとは、自社だけで取り組むのではなく、企業や大学などが技術や知見、アイデアを持ち寄ることで、革新的なビジネスや製品を生み出す手法のこと。変化の激しい時代、その必要性が高まっている。
現在、ZERO to ONEキャンバスは、著者のマスターズ氏とMTLの合作として、すでにMTLでは業務で使われ始めている。
「今は、あらゆる人たちにいろいろなチャンスがある時代だと、めちゃくちゃ感じる。世の中のあらゆる参入障壁がどんどん下がってきている。そんな時代に、大企業のリクルートとしてどう取り組んでいくかは、確かにひとつの課題だ。もちろんリクルートの資産で使えるところは使っていくのがいいと思う。
ただ、そうなると、大企業というところにとらわれがちになる。なので、どちらかというと、市場の競争原理と同じような“スタートアップ的環境”にメンバーを追い込んであげる。あくまで自分の“WILL(意思、願い)”の延長線上にある“破壊的イノベーション”に挑むほうが、圧倒的に新しい価値を生みやすい。そうしたカルチャーに、MTLを寄せるようにしている。基本的には、リクルートをぶっ壊すような人に入ってきてほしい」と石山氏は話す。
石山氏の個性的なキャラクターで構築した人脈は、当然のことながら、MTLの仕事にもつながっていく。
もう少し彼の人脈をみてみよう。
世界の超一流の講師陣がサポート
米国のデザインコンサルティング会社「IDEO(アイディオ)」創始者のトム・ケリー氏。元グーグル出身で、世界中で最も使われているABテストツール「オプティマイズリー」の共同創業者、ピート・クーメン氏。米シリコンバレーの有名なベンチャーキャピタル「500スタートアップス」のジェームズ・レヴァイン氏や、シリコンバレーの投資家など。石山氏は、グローバルかつ超一流の人物たちと交流を持つ。先日、フェイスブック代表のマーク・ザッカーバーグ氏とも面会をしたばかりだ。
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