MTLでは、オープンイノベーションの一環として、“メンター”と呼ばれるいわゆる講師のような人をそろえている。メンターには500スタートアップスやIDEOのメンバーなど、非常に豪華な顔ぶれがそろう。MTLのメンバーは、世界トップクラスの人物に、毎日のように相談に乗ってもらえるという。まさにぜいたくすぎる環境が用意されているわけだ。
500スタートアップスのレヴァイン氏は、週に丸2日間も、MTLに時間を割いている。レヴァイン氏は、週2日、アメリカにいるときはスカイプを使って1日5~6時間の時間を使う。来日したときは、MTLのオフィスに直接来てプロダクトへのアドバイスなど、ディスカッションをする、という。
オプティマイズリー社のクーメン氏は、グロースハッカー(事業やサービスなどを急成長させる人材)としても世界的に有名な人物だ。そのクーメン氏自ら、MTLのサービスのABテストの相談に乗っている。MTLでは、1週間に200回ものABテストを繰り返し、急成長しているサービスもあるという。最近は、IDEOの東京のメンバーと一緒に新規のプロダクトの開発をしている。
これほどのレベルのメンター陣に自らトレーニングをしてもらえるMTLメンバーのメリットは計り知れない。
MTLのメンバーは、リーンスタートアップの手法、エンジニアリング、デザインなどを、各領域で世界トップクラスのメンターから学べる環境にあるというわけだ。
石山氏は、新規事業を生み出すために、まさに“夢のオープンイノベーション環境”をリクルート社内に作り上げ、メンバーと共有しているのだ。
写真家の蜷川美花氏とコラボ
さてMTLだが、成果は少しずつ上がっている。
2014年9月、リクルートは、フェイスブック社と連携し、ソーシャルメディア向け広告配信の研究・実証組織「アドテクノロジーラボ」を立ち上げた。リクルートとフェイスブック。2大ビッグデータを持つ企業同士が共同で、新しい広告配信技術に取り組む。まさにオープンイノベーションと言える。
アドテクノロジーラボでは、MTLとフェイスブックがそれぞれ持つ、ユーザーの行動ログや属性情報などのオーディエンスデータ、広告配信技術やノウハウをフル活用し、ソーシャルメディア上での広告配信の最適化を研究・実証する。
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